こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。働き盛りの女性にとって、気になってくることの一つが親の老後生活をどう支えていくか…ということではないでしょうか。

一人暮らしになった父親が心配で

 「最近、父と一緒に暮らすことにしました」と話す、純佳さん(38歳)。半年程前に、母親が病気で他界してから、父親がすっかり元気をなくしてしまい、うつ症状も出ていたとのこと。悩んだ末に、純佳さんは思いきって父親を呼び寄せて2人で暮らすことにしたそうです。

 自営業だった父親(67歳)は、月6万円ほどの国民年金だけが唯一の収入源で、多少の貯蓄はあるものの、家賃や生活費などは純佳さんが負担することに。

 会社の就業規則を見たところ、税法上の扶養家族がいる世帯主には、家族手当も申請できるそうで、こうした手当も合わせると何とかやっていけそうだと思ったそうです。

 父親の引っ越しや母親の遺留品の整理などで忙しかった純佳さんですが、ある日父親に「病院へ行きたい」と言われ、ふと保険証がないことに気づきました。こうした場合、どうしたらよいのでしょうか? 純佳さんは、父親を健康保険の扶養家族にすることができるのでしょうか?

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