過重労働を防ぐために、自社の36協定を確認しよう

 長時間労働が恒常的に続けば、心身の疲労が蓄積され、病気を引き起こす危険性も高まります。睡眠不足は、脳血管疾患をはじめとする虚血性疾患、高血圧等の発症の要因となることが指摘されており、脳や心臓疾患に限らず、精神疾患の発症にもつながるおそれがあります。

 大手広告代理店に勤務していた女性従業員が自殺するという大変痛ましい出来事は、長時間の過重労働が原因だったとして、労災が認められました。ご遺族の悲しみを思うと言葉もありません。

 36協定があっても、長時間労働を防ぎきれない現実があります。しかし、過重労働をどうしたら防ぐことができるか、私たち自身が主体的に働き方について考え、声を上げていくことも大切なことといえるでしょう。

会社でどのような36協定が結ばれているか、ぜひ確認してみて (C)PIXTA
会社でどのような36協定が結ばれているか、ぜひ確認してみて (C)PIXTA

 時間外労働をするための前提として、「36協定」があります。コンプライアンスが行き届いている企業では、36協定で締結した上限時間を超えないように、きちんとマネジメントが行われています。

 無制限に残業が認められているわけではない、ということを、この場でしっかりと覚えておいてください。少なくとも、会社は協定で定められた時間を超えて残業を命じることはできません。まずは自社でどのような36協定が結ばれているのか確認してみましょう。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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