こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。会社を退職するとき、すでに転職先が決まっているため、離職票を発行してもらわない、という人がいます。それが将来明暗を分けることも……。

離職票とは?

 離職票は、雇用保険に加入していた従業員が退職するときに、会社が在籍期間中の給与等を記載してハローワークに提出し、ハローワークが交付する書類です。正式には、「雇用保険被保険者離職票」といい、会社は退職日の翌日から10日以内に手続きを行うものとされています。ただし、本人が離職票の交付を希望しない場合は、離職票の提出をせずに、資格喪失手続きのみで足りることになっています。

 離職票は、一般に会社を辞めた後の生活保障として、失業手当(正式には「基本手当」といいます)をもらうために利用します。そのため、再就職先が決まっている人は、離職票を希望しない場合もあります。あるいは、「すぐ再就職するから必要ないだろう」と会社側が本人の希望を確認せず、離職票の作成をしない場合もあるようです。

転職は新たな一歩。新天地に意識が向きがちですが、離職票をもらっておくのを忘れずに (C)PIXTA
転職は新たな一歩。新天地に意識が向きがちですが、離職票をもらっておくのを忘れずに (C)PIXTA

 普通に働く女子社員たちに話を聞くと、「離職票がどういうものか分からない」「見たことがない」という人が結構います。会社が説明してくれたら、離職票が欲しいというかもしれませんが、説明を受けなければ、その存在すら分からない、というのが正直なところではないでしょうか。