職場の服装で留意したい2つのポイント

 ファッションは、個人の趣味嗜好が全面に出るもので、職場によって捉え方も様々です。実際に、勤務に際してのドレスコードを持っている会社もありますが、一般的な個人の常識に任されているケースが多いといえるでしょう。

 職場には当然ながら仕事をしに来ていますから、支障なく職務を遂行できる服装を心掛けることが一番です。たとえば、外が暑いからといって、あまりに軽装で来てしまうと、職場の冷房で身体が芯から冷えてきってしまい、効率が下がったり、夏風邪をひいたりしてしまう人もいます。特に、素足にかかとの出ているミュールなどは、お洒落を楽しむにはよいですが、長時間同じ姿勢でいると下半身を冷やしてしまうので、気をつけたいところです。

 職種にもよりますが、デスクワークの場合、基本的に肩や太ももを出すような服装は、職場のドレスコードという視点でいうと避けるのがベターです。女性にとって、「冷え」は大敵。室内では冷房対策としても、羽織るものを用意しておくとよいでしょう。

 使用者が労働者の安全に配慮する義務を負っているように、労働者も自分の健康の増進に努める義務が課せられています。まずは、自分の健康を優先させる、という視点を大切にしてください。

 そして、女性の場合、露出度の高い服装や、胸もとやヒップラインなど、体形をあえて強調するような服装は、セクシュアル・ハラスメントの引き金ともなりかねない、という意識を持つことも大事です。彩恵さんは、男性同僚の発言にゾッとしたと話していましたが、自分にはそのようなつもりがなくとも、相手がどのように受け止めるかはわかりません。

 職場においては、性的な対象として見られるようなことがないように、自らの身を守るという意識も重要です。大人の女性として、TPOをわきまえた服装を心掛けましょう。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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