こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。人工知能(AI)の目覚ましい進化により、「人事」の在り方が変わろうとしています。今後の潮流はどうなっていくのでしょうか。

新しい潮流「HRテック」

 少子高齢化により、国内就業者は2025年において2015年より557万人も減少するという予測があります(リクルートワークス研究レポート※1)。働き手が減っていくわけですから、今まで以上に潜在的な能力を秘めた女性や高齢者の活躍が期待されますが、企業側にとっては、優秀な人材確保は大きな課題といえます。

 近年、金融とIT(情報技術)を組み合わせた「フィンテック」、教育とITを組み合わせて「エドテック」に続き、HR(ヒューマンリソース)分野において、ITを使った採用、評価、配属を行う「HRテック」が新しい潮流として注目されています。

(C)PIXTA
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 欧米では、求職者側の経歴・希望と企業の募集条件を言語解析してマッチング精度を高めるサービスや、大量のデータから予測分析をかけ候補者の採用後のパフォーマンスを予想するサービス、財務と職場環境のデータを集約・分析することで最適な人員計画を立案するサービスなど、ITを活用した様々なサービスを提供する企業が急成長しています。

 こうした中、人材紹介のビズリーチ社は、今秋から独自の勤怠管理システム、2017年春には新たな評価ツールを導入することを発表しました。ビックデータの解析から特徴を自分で見つけて学習する深層学習(ディープラーニング)により、AIが蓄積した情報を分析して、人事評価や最適な職場、ポジションをはじき出してくれる、という画期的なサービスです。

 ひと昔前では、考えられもしなかったことが、デジタル革命によって現実となってきているのです。今後、日本においても人事のAI化が進めば、社員の働き方は変わるのでしょうか。

※1:リクルートワークス研究所「2025年 働くを再発明する時代がやってくる」参照