「在職者訓練」とは?

 学ぶには、時間ばかりでなく、「お金もかかるから大変!」と思っている人は多いかもしれません。インターネットを活用して時と場所を選ばない方法もあれば、実際に通学する方法など様々ですが、国や都道府県が公共職業訓練を実施しているのをご存じでしょうか?

 対象者は、離職者、在職者および学卒者となり、働きながらスキルアップしたい方に向けて行われているのが、「在職者訓練」です。

 在職者訓練には、主に2種類あります。一つは、地域企業や地場産業の訓練ニーズに対応した都道府県が行う訓練。もう一つは、都道府県や民間訓練機関で実施するのが難しい、高度なものづくり分野における技能や知識を習得させるもので、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構で行うものです。

 身近に受けられるのは、都道府県が実施する基礎的な訓練です。例えば、東京では、主に中小企業で働く都内在住または在勤の方(派遣・契約社員、パート・アルバイト等を含む)を対象に、スキルアップや資格試験の受験対策用に「キャリアアップ講習」を行っています。

 東京都の場合、授業料は1講習あたり900円~6500円と、民間機関での授業料を考えても、懐に優しい料金体系といえます(教科書代は別途)。

 講座の一例を挙げると、簿記、英文会計/財務諸表作成、企業会計実務、社会保険の実務、Excel/Word活用、ビックデータ分析、プレゼンスキル、ロジカルシンキングによる企画書作成、プログラミング、情報セキュリティ、DTP、広告デザインなど、仕事に即役立つスキルや資格試験対策など、年間およそ600コースが用意されています。

 今、ご自身が関わっている仕事で役立ちそうなものがあれば、試しに受講してみるのもいいかもしれませんね。また、直接担当はしていないけれど、興味があってもう少し詳しく知りたい、という科目にトライしてみると、視野が広がるかもしれません。

 在職者訓練のプログラムや料金体系、講座・セミナーの名称は、都道府県によって異なりますので、詳しくは各都道府県にご確認ください。

※参考までに、東京都の「TOKYO はたらくネット」のURLをご紹介します。
URL:http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/school/carr_up/index.html

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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