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大丈夫? 会社で「サインして」と頼まれた書類の正体

2018年6月6日

誤った従業員代表の選出方法は労使協定自体が無効に

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 こんにちは、「ワークルールとお金の話」の 佐佐木由美子です。日常生活や仕事において、署名・なつ印をするシーンはありますが、「この書類にサインして大丈夫?」とためらうことはないでしょうか。ある日、社長に頼まれてサインをしたものの、どうも気になっているという美香さん。いったい、どんな書類だったのでしょうか?

気軽にサインに応じたものの…

 それは先月の出来事でした。美香さんは営業アシスタントとして小さな会社に入社して3年、いつも午後になると、営業マンたちは出払ってしまい、オフィスには美香さんをはじめ数名のスタッフしかいません。

 そこに、いつも忙しそうにしている社長が「ちょっと頼みがあるんだけど」と、笑顔で話し掛けてきました。

 「ここにサインしてハンコを押してもらえる?」

「ここにサインしてハンコを押してもらえる?」 (C)PIXTA

 社長にそう言われ、1枚の紙を手渡されました。美香さんにとっては初めて見る書類です。

 「これは何ですか?」と尋ねると、「なんとか協定っていうらしいんだけど……そうそうサブロク協定。変な書類じゃないよ。君には従業員を代表して署名してもらいたいんだ。これも仕事だからね」と言われ、サインを急かされました。

 美香さんは社長に言われるがまま、あまり深く考えずにサインをしました。しかし、後になってそのことが気になって仕方ありません。

 「一体、何の書類だったのか……。従業員を代表して、とか言っていたけれど……」

「36協定届」にサインをしていた!

 実は、美香さんのようなケースは、小さな職場で起こりがちなミステイクと言えます。美香さんがサインしたという書類は、労使協定の一つである「36協定届」というもの。正式には、「時間外労働・休日労働に関する協定届」といいます。

 法律では、1日8時間、1週40時間(特例措置対象事業所では44時間)を超えて働くことが本来は認められていません。しかし、会社が従業員に法定の労働時間を超えて働かせたり、法定休日に働かせたりすることができるのは、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出ているからです。この協定のことを労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36(サブロク)協定」といいます。

 この協定にサインできるのは、使用者と事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は当該労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)となります。

 つまり、美香さんは知らない間に、過半数代表者としてサインをした、というわけです。

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Profile
佐佐木 由美子
佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン【サロン・ド・グレース】を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌等メディアで活躍
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