こんにちは、「ワークルールとお金の話」の佐佐木由美子です。4月は新年度のスタート。入社で新しい顔ぶれも増えれば、育児休業から復帰される方もいらっしゃるでしょう。特に育休から復帰される方にとっては、不安も大きいでしょうし、受け入れる職場側の方にとっては、「どう対応したら……」と戸惑いもあるかもしれません。
両立支援のための制度とは
育児休業で職場を1年以上離れている方にとっては、うまく職場環境や仕事になじめるかどうか、不安もあることでしょう。変化の激しい時代にあって、「復帰する部署が、跡形もなくなってしまった」、「同じ部署に戻ったけれど、職場の人間がすっかり入れ替わっていた……」という話も珍しくありません。
復帰しても、当初は「慣らし保育」があったり、仕事と育児の両立に戸惑ったりと、いきなり以前のようにハイペースで働くことはなかなか難しいかもしれません。人によっては、フルタイムでの復帰ではなく、当面の間は時短勤務を選択して、ワーク・ライフ・バランスがうまく図れるようにしている方もいます。
育児のための時短勤務制度がある、ということは、だいたいの職場において理解はされていると思いますが、実はこれ以外にも、育児・介護休業法等の法律で定められている制度があります。育児休業以外に、育児関連の両立支援制度をまとめると、次の通りです。
子の看護休暇
対象者:小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員
内容:従業員1人につき、子が1人の場合には1年度に5日まで、2人以上の場合には1年度に10日まで、病気・けがをした子の看護のために、または子に予防接種や健康診断を受けさせるために、休暇を半日単位(※)または1日単位で取得することができる。会社は業務の繁忙等を理由に拒めない。
育児のための所定外労働の免除
対象者:3歳に満たない子を養育する従業員
内容:当該子を養育するために申し出た場合、事業の正常な運営に支障がある場合を除き、所定労働時間を超えて労働をさせることはできない。
育児のための時間外労働の制限
対象者:小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員
内容:当該子を養育するために申し出た場合、36協定(※)で定めた時間外労働の上限時間にかかわらず、1カ月について24時間、1年について150時間を超える法定時間外労働をさせることはできない。
育児のための深夜業の制限
対象者:小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員(一部制限あり)
内容:当該子を養育するために申し出た場合、午後10時から午前5時までの間に労働させることはできない。
育児のための所定労働時間短縮の措置(短時間勤務)
対象者:3歳に満たない子を養育する従業員
内容:1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含む所定労働時間の短縮措置がある(※)。会社によって始業・終業時間が定められている場合もあれば、話し合いによって個別に決められる場合もあり。
上記は法律で定められているものですが、これ以外に会社独自で支援制度を設けている場合もあるでしょう。