4月から6月にもらう給与は要チェック

 私たちの社会保険料は、毎年見直されています。具体的には、4月・5月・6月に支給された給与の平均額をもとに、「標準報酬月額」が決まり、それに保険料率を乗じて計算します。つまり、この3カ月の間にたくさんの残業手当をもらってしまうと、平均額が上がってしまい、社会保険料もアップする可能性があるのです。

春は新しい仕事の季節。忙しくなりがちですが、給与明細に注意して (C) PIXTA
春は新しい仕事の季節。忙しくなりがちですが、給与明細に注意して (C) PIXTA

 慶子さんのケースで考えてみましょう。通常は残業がないため、給与総額は通勤手当を入れて24万5000円。標準報酬月額は、24万円(23万以上25万円未満)となります。この場合、健康保険料は1万1892円、厚生年金保険料は2万1818円、合わせて3万3710円となります(2017年3月現在、協会けんぽ東京支部の場合)。

 4月は昇給で給与が若干アップすることに加えて、3月に著しく残業をしてしまったことにより、その他の月に残業をしないとしても、標準報酬月額は28万円になってしまう見込みです。この場合、健康保険料は1万3874円、厚生年金保険料は2万5454円、合わせて3万9328円となります。つまり、社会保険料が毎月5618円アップし、年間でみると6万7000円を超えることになります。

 社会保険料は、毎年9月分から1年間、大幅な給与の変動がない限り続くことになるので、このインパクトは大きいといえるでしょう。保険料が上がることで、将来の年金額や病気で会社を休む場合の給付金がプラスに転じることはありますが、手取りベースだけで考えると、ちょっと損をした気分になってしまうかもしれません。