こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。みなさんは、日頃から睡眠時間を確保できていますか? 「いつも寝不足気味で…」という方は、要注意! 仕事と睡眠の関係について考えてみましょう。

仕事中に繰り返す眠気は要注意

 「最近、彼氏と別れたばかり」という、晶菜さん。気晴らしに始めたスマホのゲームにすっかりはまってしまい、睡眠不足気味の毎日。ふと気づくと、PCを見つめたまま眠ってしまうことも…。今日こそは早く眠ろう、と思っても眠れない夜が続いていました。

 ところがある日、ミーティング中にあろうことか居眠りをしてしまったのです。晶菜さんにとって初めてのことで、上司からも厳しく注意をされてしまいました。気をつけようと反省していた矢先に、また業務中の居眠りを同僚から指摘されてしまい…。

 時々、激しい眠気を抑えきれないという晶菜さん。真面目に仕事をしたいと思っているのですが、単なる怠け癖と言えるでしょうか。

 「仕事中に、居眠りをしてしまったことがある」という方、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。睡眠不足が続いてしまったり、疲れが溜まっていたり、女性の場合は、ホルモンバランスなどの影響を受けることもあるでしょう。一時的なものか、継続的なものか、まずはその症状を見極めることがポイントです。

 睡眠には、心身の疲労を回復する働きがあります。このため、睡眠不足や質の悪い睡眠が続くと、健康上の問題や生活や仕事へ支障をきたしてしまうこともあり得ます。業務内容によっては、一瞬の居眠りが命取りとなることもあり、大変深刻な事態を招くケースも実際に起きています。

 夜、十分に眠っているはずなのに、昼間の眠気が強く、目覚めていられない状態を「過眠」といいます。過眠があると、顧客との商談中など、とても通常では考えられない状況で居眠りをしてしまうことがあるといわれます。

 また、睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合は、うつ病の可能性も考えられます。うつ病は、しばしば食欲の低下や消火器症状、また9割の患者で何らかの睡眠障害が報告されています。

 健康な人であっても、ストレスなどで長期間睡眠不足が続くと、昼間に強い眠気が現れることがあります。もし仕事に支障がでるほど深刻な場合は、早めに睡眠障害専門の医療機関を受診し、必要な検査・治療を受けることが大切といえるでしょう。

 晶菜さんのケースも、放っておかず早めに専門の医師に相談してみることをおすすめします。