昨年話題になったココナッツオイル。スーパーモデルのミランダ・カーや女優のアンジェリーナ・ジョリーなど、ハリウッドセレブの愛用者も多く、その美容・健康効果から、日本でも話題になった。ちょっと癖のある風味から、私は、エスニック料理やパンケーキなどといったスイーツ作りにしか使っておらず、一瓶買ったオイルをすべて使い切ることはなかなか至難の業だった。

 余った瓶の中身とともに、私の中で冷めかけていたココナッツオイルブーム。ところが、健康オタクの友人に余ったオイルの使い道を尋ねてみると、「(ココナッツ)オイルだけなんて甘いよ。私は、スナックに、シュガー、ミルク、フラワー(小麦粉の代わり)までココナッツでそろえてるよ」とのこと。

 “ココナッツ○○”にそんな種類があったとは、確かにオイルだけで満足していた私は甘かった……。

 ということで、早速スーパーに出かけてみると、こんなにたくさんの種類のココナッツ関連商品を見つけることができた。こうした食材は、特別なスーパーではなく、ごく普通のスーパーで見かけることができる。

ローストココナッツは、小腹が空いたときのスナックとして。ココナッツそのままの味かと思いきや、ベーコンや塩キャラメルなどの味付けが驚き。
ローストココナッツは、小腹が空いたときのスナックとして。ココナッツそのままの味かと思いきや、ベーコンや塩キャラメルなどの味付けが驚き。
バニラや塩など、風味つきのココナッツシュガーも。用途に応じて、様々な味が楽しめる。
バニラや塩など、風味つきのココナッツシュガーも。用途に応じて、様々な味が楽しめる。
ココナッツミルクは、そのまま飲めるプレーンだけでなく、子供でも飲みやすいチョコレート味や、コーヒーなどに加えるクリーマーなど、種類も豊富。
ココナッツミルクは、そのまま飲めるプレーンだけでなく、子供でも飲みやすいチョコレート味や、コーヒーなどに加えるクリーマーなど、種類も豊富。
健康志向の購買層を意識し、精製されていないものや100%オーガニックのフラワーなどが目立つ。
健康志向の購買層を意識し、精製されていないものや100%オーガニックのフラワーなどが目立つ。

 こうしたココナッツ関連商品が流行る背景には、最近、アメリカで話題になっている“グルテンフリーダイエット”がある。グルテンとは、小麦や大麦などの穀物から生成されるタンパク質の一種のこと。このグルテンにアレルギー持っている人がグルテンを避けると、体調がよくなったという声もあるが、ダイエット法としても注目されている。

 グルテンの摂取を減らすと、血糖値の急上昇や、それに伴うインスリンの過剰分泌を抑えられ、体が脂肪をため込むのを防げるという考え方だ。

 パンやパンケーキ、シリアルやピザなど、グルテンたっぷり料理が食卓に並ぶアメリカにおいて、代替食材として、グルテンが含まず、低カロリーで、しかも食物繊維を多く含むココナッツを使った関連食材が注目を浴びるのも納得できる。

 余ったオイルの使い道に悩んでいた私も、早速フラワーとシュガーを購入。ココナッツたっぷりのパンケーキとクッキーを作り、オイルとシュガーを混ぜて、ココナッツシュガースクラブを楽しみ始めた。ココナッツの魅力は、さらに広がっていきそうだ。

文/小路夏子