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働き女子のための法律相談所

【法律相談所】会社をズル休みしたせいで、損害が発生。責任は誰に!?

2015年10月13日

過失があったら、勝手に給料から天引きすることはできるのでしょうか

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 連載、「こんなとき、どうなる? 働き女子の法律相談所」は、みなさんの日々の暮らしの中での素朴な疑問、質問、相談などにお答えする働き女子のための法律相談所です。今回はズル休みによる会社への損害についてアディーレ法律相談所の岩沙好幸先生が答えてくれました。

Question

 最近同僚の女性の勤務態度を不審がる声が上がっています。なぜなら、先日彼女は社内の人間には体調不良という事で会社を2日間休みましたが、取引先には海外にいるので電話が通じないと話していたようです。そのせいで、取引先が納期の確認ができず、社内にも引継がなく、結局納品遅れになってしまい会社に損害が出たそうです。

 その後彼女のFacebookを見たら、韓国へ旅行に行っていたようでした。休んだ日は有給扱いになりましたが、休んだ事で発生した損害は、彼女が賠償しなくてはいけないと思うのですが、彼女の給料から天引きしても良いものでしょうか。(30代・女性)

 Answer

 疲れて朝起きられない時などは、会社をズル休みしたくなりますよね。みなさんの周りにも、ズル休みと疑われても仕方ないような休み方をしている人はいませんか。今回は、ズル休みの違法性について解説したいと思います。

 そもそも、会社の従業員は、会社との間で雇用契約を結んでおり、従業員は会社に対して、給料をもらう代わりに、会社に対して労働をする事の義務を負っています。つまり、従業員は会社に対して、勤務日に働くという約束をしているわけなので、ズル休みはその約束違反になります。

 では、約束違反によって会社に損害が生じた場合に、会社は従業員に対して損害賠償請求をすることはできるでしょうか。

 一般論として、従業員が通常求められる注意義務を尽くしている場合や、些細な不注意により損害が発生してしまったとしても、そのような損害の発生が日常的に発生するような性質のものである場合には、損害賠償責任は発生しません。これに対して、労働者に重大な過失や故意がある場合には、損害賠償責任が一部発生することになります。

 仮に、従業員が休んだ理由が、電話もかけられない程の高熱であり、その結果、欠勤連絡や引き継ぎをすることができずに損害が出た時などは、休んだことで損害賠償を受けることにはならないでしょう。従業員に著しい不注意があるとまでは言えないですからね。

 一方、嘘をついてズル休みをし、会社に損害が生じた場合は問題があります。

 今回の件の場合、同僚の女性は、体調不良と偽って海外に旅行をしているので悪質ですよね。また、欠勤連絡をしたかは定かではありませんが、取引先に損害が発生することを知りながら、一切引き継ぎをせずにズル休みをしているので著しい不注意又は故意があるのは明らかです。そうすると、彼女は会社に対して損害賠償責任を負う可能性が高いでしょう。

 仮に、彼女に損害賠償責任が生じる場合でも、会社は、彼女の了解なく、一方的に給料から損害を天引きすることはできません。なぜなら、法律上、会社は労働者の賃金を全額支払わなくてはならないと定められており、損害を給料から天引きすることは許されないからです。

 今回の件は、はたから見ても、仕事をさぼっている女性が悪いのは明らかです。ただ、だからといって女性の給料から勝手に天引きするのは適切ではないということは覚えておいてくださいね。

この人に聞きました
岩沙好幸
弁護士(東京弁護士会所属)
岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼い始めた。労働トラブルを解説した書籍『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)が発売中。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。

写真=kou / PIXTA

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