生理痛を感じたとき、どのように対処していますか? 温める、痛み止めを飲むなど、自宅で簡単にできる対処法で済ませている方も多いかもしれません。でも専門家の間では、何よりも先に婦人科を受診して原因を突き止めることが大切だと言われています。生理痛には、不妊や大量の出血につながる病気が隠れている可能性があるからです。そこで今回は、なぜ婦人科の受診が必要なのか、医療ガバナンス研究所の山本佳奈医師に詳しく聞きました。山本医師によると、婦人科受診後に処方される低用量ピルは生理痛を軽減させるだけでなく、生理前のイライラを解消してくれるそう。生理やピルのイメージが変わる「女性の体にまつわる話」を前後編でお届けします。

私の生理は異常? 見極める方法は

一般的な周期は何日? 経血量は? 婦人科医にじっくりと聞いてきました (C)PIXTA

 そもそも生理とは何のために起こるのでしょうか。既にご存じの方も多いかもしれませんが、女性の体に詳しい山本医師に改めて聞きました。

 「生理は子宮が受精卵を迎える準備をするために起きる現象の一つです。排卵が起こると、子宮は内膜を膨らませ、受精卵をキャッチする準備を始めます。子宮内膜は生理前になると1cmほどの厚さになりますが、受精卵が着床しない場合、古い内膜は酵素の働きによって壊され、血液と共に体外へ排出されます。これが『生理』です」(山本医師)

 しかし、子宮内膜の厚さや生理が起きる周期には個人差があり、期間が長過ぎたり、周期が乱れていたりする場合は病気の疑いがあるとのこと。健康的な女性の生理周期や期間は何日なのでしょうか? 山本医師によると、医師向けのガイドラインには次のような記載があるそうです。

・生理周期:25~38日
・生理期間:3~7日

 生理痛がなくても、上記から大幅に外れている場合は要注意。生理不順の可能性があるため、医療機関の受診がおすすめです。また、ナプキンに付く血の量や状態を見ることで病気の発見につながることもあるそう。

 「昼間でも夜用のナプキンを使い2~3時間おきに替えている人は、出血量が多過ぎる可能性があります。過去に病気が見つかった人の中には、『会議の途中にトイレへ行かないとナプキンが持たない』という声もありました。ドロッとした大きな塊が出てくる場合も注意が必要です。子宮筋腫や子宮内膜症の可能性があるため、早急に婦人科を受診しましょう」(山本医師)

 また、仕事中もいや応なく痛みが襲ってくる生理痛が、実は不妊や大量の出血につながる病気のサインである可能性も。痛み止めの服用や腹部の温めよりも、婦人科の受診を推奨する理由を詳しく聞きました。

自分では分からない? 生理痛の「違い」

 山本医師によると、症状がどのようなものであれ、生理痛がある場合は婦人科の受診がおすすめとのこと。その理由は、生理痛の症状が大きく2種類に分けられることにあるそうです。

 「一つは『機能性』の生理痛。病気など原因となる体内トラブルはないため、鎮痛剤や漢方で治療を行います。もう一つは、『器質性』の生理痛。月経困難症や、子宮筋腫、子宮内膜症などの病気が痛みを引き起こす生理痛です。この場合、生理痛を我慢したり、痛み止めを飲んだりしていると、その間に病気が進行してしまう恐れがあります。痛み止めを長期間服用すると、潰瘍を起こしたり、腎臓や肝臓に副作用が出ることも」(山本医師)

 「器質性」と「機能性」は見た目や症状で判断することが難しく、医療機関での検査が必要だそう。生理痛が軽いからといって検査を先延ばしにしていると、隠れていた病気が悪化してしまう可能性があります。もし婦人科が近くになければ、内科へ行って相談してみましょう。

 しかし山本医師によると、一番のおすすめはやはり婦人科とのこと。内科との違いは、どこにあるのでしょうか?

 「婦人科であれば、膣超音波(エコー)検査によって子宮内部の様子を詳しく確認することができます。内科よりも婦人科で原因を探したほうが、より確実な検査結果が得られますよ」(山本医師)

 過去には不妊治療で初めて子宮内部を確認し、病気が見つかって妊娠が遅れてしまった人もいたとのこと。生理痛を感じた段階で検査をすれば、たとえ病気が見つかったとしてもすぐに治療を始めることができます。生理痛は我慢するもの、痛み止めで対処するものと思わず、勇気を持って婦人科を訪ねてみましょう。