こんにちは。著述・翻訳家の上野陽子です。「あなたを強くする今日の名言」では、毎回、毎日の生活に元気がもらえる著名人の言葉を紹介しています。今回は、社会学者・上野千鶴子さんの相手をやり込めるコツ。人の上手をとって、周りにあなたの勝ちを認めさせる、理想的な方法が学べます。

「とどめをさすやり方を覚えるのではなく、
相手をもてあそぶやり方を覚えなさい」

Learn to string difficult people along rather than quickly going in for the kill.


上野千鶴子
Chizuko Ueno


社会学者(1948〜)
東京大学名誉教授。『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞、2011年朝日賞受賞。日本社会学会理事、日本学術会議会員などを務める。『おひとりさまの老後』(法研)ほか、話題の著書多数。

 論客として有名な上野千鶴子さんは、議論の仕方として「相手にとどめを刺してはいけません」*と教えています。

 “とどめを刺す”とは穏やかではありませんが、とどめを刺したら、その関係を断ち切ることになり、自分だって嫌われます。

 「その世界であなたが嫌われ者になる。それは得策じゃない。とどめをさすやり方を覚えるのではなく、相手をもてあそぶやり方を覚えなさい」

 相手をもてあそぶ……つまり“一枚上手(うわて)に出なさい”ということ。
 たとえば多くの言葉や知識を自分の中にたくわえておいて、たくさんの引き出しから“ならばコレ”で返し、さらに相手の上を行く。

 「議論の勝敗は本人が決めるのではない、聴衆が決めます。相手をもてあそんでおけば、勝ちはおのずと決まるもの。それ以上する必要も、必然もない」

 これが議論でも、それからちょっとしたケンカでも、勝つための極意ですよ。

【ひとことサプリ】
 まずは冷静に、そしてとどめを刺さずにもてあそぶ。
 一枚上手にでることで、相手をギュッとやりこめよう!

*[参考資料]『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(遥洋子 2004年 筑摩書房)

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