デザインとキャッチフレーズに注目――“ジャケ買い”茶

 まずは、思わず手に取りたくなるパッケージ、つまり“ジャケ買い”したくなる緑茶からチェックしてみた。

ジャケ買いしそうな緑茶5種類。華やかなパッケージのデザインや、おいしさを想起させる「玉露入り」などキャッチフレーズがあると、つい手にとってしまいそうだ。
ジャケ買いしそうな緑茶5種類。華やかなパッケージのデザインや、おいしさを想起させる「玉露入り」などキャッチフレーズがあると、つい手にとってしまいそうだ。

 「パッケージに書かれたキャッチフレーズが気になる」と選ばれたのが、「茶の葉 玉露の旨み」(ダイドードリンコ、139円/600ml、写真左から2番目)。「玉露らしい、ほどよい苦み。他社製品のCM効果で『にごりは旨み』と刷り込まれているので、『にごり仕立て』とあると惹かれてしまう」というのはタッキーさんだ。「冬のお~いお茶」(伊藤園、140円/525ml、写真左端)は、冬限定商品だが、ホットではなく、抹茶多めでとろっと冬向けにできている。「パッケージがキラキラで季節感が出ている」とは兼松さんの意見。

 ジャケ買いしそうな商品の中でも、とりわけ注目されたのは、「瓶 お~いお茶 玉露」(伊藤園、1000円/375ml、写真右から2番目)だ。国産玉露を100%使用した旨みたっぷりのお茶は、ギフト向けの高付加価値商品として開発されたという。「まるみのある味わい。ガブガブ飲むのではなく、ゆっくり味わいたい」(うっしぃさん)。「和菓子と一緒に包んで、目上の方の家に遊びに行くときのお土産にいいかも」(兼松さん)。一同、高級感ある緑茶の登場に、「すごい!」を連発。自分へのご褒美やおもたせにしたいと言いながら、瓶の重量感を何度も確かめていた。

 ご当地緑茶のなかでは、お茶の産地として名高い「八女」の文字に訴求力があるとして「福岡の八女茶」(JAふくおか、150円税込/500ml、写真中央)が“ジャケ買い”しやすいとの意見を集めた。

 ところで、4人ともこれまで「特に意識して買っていなかった」というが、パッケージ以外で今回用意した緑茶のペットボトルから好きなものを選ぶとしたら、その決め手になるのは何だろう? 「テレビCMの影響は大きいと思う」と指摘したのはタッキーさんだ。「宮沢りえが出演する『伊右衛門』(サントリー、140円/500ml)のCMは印象的だし、『綾鷹』(コカ・コーラ、140円/525ml)のCMで京都の名店の主人が登場し、味に太鼓判を押していると『おいしいに違いない』と思ってしまいます」。他の3人も身近にあるものを買っているとしながらも、CMの影響は大きい、とタッキーさんと同意見だった。

ホットにはホットのおいしさあり――ホット専用茶

 「温かいお茶は冷たいものと比べにくい」という審査員の意見を受け、ホット商品はカテゴリーの中だけで飲み比べをした。ホット商品については、50℃に温めて試飲した。

ホットは冷めずに飲みきれる280ml前後が主流。キャップはオレンジ色が多く、区別しやすい。
ホットは冷めずに飲みきれる280ml前後が主流。キャップはオレンジ色が多く、区別しやすい。

 寒い日にホームで電車待ちをしていると、ぬくもりを求めて自販機のホットドリンクについ手がでてしまう。「ホットの緑茶を飲む目的は、どちらかというと温かい何かを飲みたいとき」というタッキーさんに、他の3人もうなずく。温かいお茶には温かいからこそのおいしさがあるという理由から、ホット商品は6種類内で飲み比べることにした。

 特に高評価だったのは、「茶の葉 玉露の旨み」(ダイドードリンコ、115円/290g)と「神戸居留地 緑茶」(富永食品、オープン/280ml)。「茶の葉 玉露の旨み」派は、「少しにごりがあって、アツアツではなく冷めたくらいが特においしかった」(兼松さん)、「玉露好きにはおすすめ!」(タッキーさん)とコメント。一方、「神戸居留地 緑茶」派からは、「甘みや香りが強調されるお茶が多いなか、ふつうにおいしく、どんなシーンでも楽しめる」(うっしぃさん)、「香りがとにかく好みだった」(古川さん)との声が聞かれた。「とろ~り旨み」が好きか、「すっきり」が好きかで、好みが分かれたようだ。

新勢力の健康の緑茶は6種類

 「お茶でダイエットができる!」と、女子の夢をかなえたような「ヘルシア緑茶」(花王、180円/350ml)が発売されてから10年以上。ここ数年、各メーカーからも“健康緑茶”の発売が目白押しだ。健康系緑茶は難消化性デキストリンが入っていたり、カテキンが増量されていたりするからか味にやや特徴がある。そこでスタンダードタイプの緑茶と比べず、ホット商品と同様に6種類の中で好みの味や機能に応じて、マイナンバーワンを決めてもらった。

「ヘルシア」独走だった市場に、「綾鷹」、「伊右衛門」をはじめ、各社の緑茶ブランドから健康系茶が続々。
「ヘルシア」独走だった市場に、「綾鷹」、「伊右衛門」をはじめ、各社の緑茶ブランドから健康系茶が続々。

 「やっぱりヘルシア! 発売からずっと飲み続けて、効果も実感しています」というのはタッキーさんだ。「苦みは強力だけど、これがいかにも効きそう」とのこと。同じく「ヘルシア」を挙げたのはうっしぃさん。「画期的すぎるお茶で、発売時にはものすごく飲みました! 渋みも苦みも、効くと思うと嬉しいくらい」。エネルギーと脂肪を消費しやすくする、というのがこの商品のウリだ。

 古川さんのお気に入りは悪玉コレステロールを減らすという「カテキン緑茶」(伊藤園、137円/350ml)。「適度に甘みと苦みがあり、バランスがよく、好きな味です」。兼松さんは脂肪と糖の吸収をおさえる機能性食事食品の「食事の生茶」(キリンビバレッジ、143円/500ml)を「食事と一緒に飲むと、糖の吸収を抑えてくれるなんて! 甘みと笹の葉のようなフレッシュさが感じられました」という理由で高く評価していた。

 その他の健康系緑茶の特徴もご紹介。「伊右衛門 特茶」(サントリー、170円/500ml)は、トクホで初めて脂肪の「分解」というメカニズムに着目。体脂肪を減らすのを助ける。「生茶 カフェインゼロ」(キリンビバレッジ、140円/500ml)は緑茶のおいしさそのままでカフェインゼロ。「食事と一緒に 十六茶ダブル」(アサヒ飲料、160円/500ml)はトクホでカフェインゼロ。食後の糖の吸収と食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにしてくれる。

 それではいよいよ、BEST3の発表です!