スイーツ、鍋――まだまだ続く「ハイブリッドグルメ」

 “クロワッサン×ドーナツ”の「クロナッツ」や“ティラミス×パンケーキ”の「ティラミスパンケーキ」など、別ジャンルのスイーツを掛け合わせたハイブリッドスイーツがここ数年のブーム。今年もハイブリッドグルメはさらに進化していきそうだ。

 最新の注目は、フランスから上陸した“クロワッサン×マフィン”のハイブリッドスイーツ「マフィノワズリ」。クロワッサンのサクサク感とマフィンのモチモチ感のハイブリッドな食感が新しい。

「マフィノワズリ ヌテラ」(左)、「マフィノワズリ マロン」(右)。各380円税込。イートイン、テイクアウトどちらも可能。
「マフィノワズリ ヌテラ」(左)、「マフィノワズリ マロン」(右)。各380円税込。イートイン、テイクアウトどちらも可能。
 

 マフィノワズリを販売するのは、フランスで300店舗、日本国内にも5店舗を展開する人気ベーカリーカフェ「ブリオッシュ ドーレ」。「クロワッサンをマフィン生地で焼くと、従来のサクサク感に加え、中身がしっとりモチモチに。さらにたっぷりのチョコやクリームが中に入っていて、パン好き・スイーツ好き共に、今までにない魅力を味わえると思います」とブリオッシュ ドーレ アジア代表取締役のフランソワ グザビエ コラさん。ちなみに同店では日本限定のハイブリッドパンとして「クロワッサン食パン」も販売している。

 そして、スイーツ以外の注目ハイブリッドグルメとして、鍋料理がある。複数の魚介を鍋に入れて食すのだが、その掛け合わせが斬新。

 “アワビ×カニ×ウニ”、“伊勢海老×毛ガニ”、“はまぐり×ブリ”……など、豪華な掛け合わせ。高級食材を一度に楽しめる。

アワビ×カニ×ウニ! 「天然鮑の蟹出汁しゃぶしゃぶ濃厚雲丹ダレ添え」(1人前2280円)。
アワビ×カニ×ウニ! 「天然鮑の蟹出汁しゃぶしゃぶ濃厚雲丹ダレ添え」(1人前2280円)。

 こうした「ハイブリッド濃厚海鮮鍋」を展開するのは、ダイヤモンドダイニンググループ。上の写真の鍋料理を提供する鍋料理専門店「あくとり代官 鍋之進」をはじめ、首都圏を中心に多数の飲食店ブランドを手掛ける同社では、毎年その年の食のトレンドを総括し、そのキーワードを元にメニューを開発。今年度は「胃袋がときめく=写真をシェアしたくなる」をキーワードに、各店にメニュー開発を依頼したところ、ウニやイクラ、アワビ、カニといった高級食材を掛け合わせるメニューが多く生まれたのだという。

 「家庭ではなかなか味わえない高級食材を使うことで、外食ならではの楽しみやワクワク感を味わって」とダイヤモンドダイニング広報部の亀田泰子さん。

 スイーツ、鍋と来たら、次は何か? 今後どんなジャンルから、ハイブリッドグルメが登場するか楽しみだ。


 

低価格で高品質な「カジュアルワイン」が人気

 

 2015年11月、アジア・オセアニア地区のナンバーワン・ソムリエを決める「アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」で日本代表の石田博さんが優勝した。海外大会での日本人の優勝は田崎真也さん以来とあって、ソムリエ界が盛り上がっている。4月の世界大会への期待も高く、今年はワインの話題を耳にすることが増えそうだ。

 ちょうど現在は2012年から続く第7次ワインブームの真っただ中でもある。「ワイン=高級品」というイメージだったバブル期と違い、現在のブームの主役は低価格高品質なワイン。手軽にワインを楽しむスタイルが幅広い世代に広がっている。

 例えば、「ビオワイン」でも、低価格帯の売れ行きが伸びている。

ビオワイン3種。左から、「ビオレーベ カベルネソーヴィニョン」「ビオレーベ メルロー」「ビオレーベ テンプラニーリョ」(各780円)。
ビオワイン3種。左から、「ビオレーベ カベルネソーヴィニョン」「ビオレーベ メルロー」「ビオレーベ テンプラニーリョ」(各780円)。

 西友では、昨年10月に発売したビオワインの売れ行きが好調で、計画比30%を上回っている。ビオワインとは、農薬や化学肥料が使われていない有機ぶどうを使用し、有機認証をとった施設で加工されたワインのこと。一般的に割高といわれるビオワインだが、西友で扱う商品は1本780円という低価格だ。

 

 「西友の数ある直輸入ワインの中でも売り上げ上位のヒット商品です。トレンドのビオワインを試してみたいという方にもおすすめ」と同社商品本部グロサリー部酒菓子飲料部チーフバイヤーの仲裕司さん。西友の親会社である世界的な小売企業“ウォルマート”の商社機能とグローバル調達網を活用することで、低価格を実現したという。

 飲食店でカジュアルにワインを楽しむスタイルも人気だ。「ボトル1本は飲み切れない」「料理ごとに違うワインを楽しみたい」というグラスワイン族が増えている。

平均客単価は3000~3500円。グラス杯数は約3杯。女性には90ccも好評。
平均客単価は3000~3500円。グラス杯数は約3杯。女性には90ccも好評。

 これを受けて、昨年9月に東京・新宿にオープンした「新宿ワイン倶楽部」では、常時50種類以上のボトルワインのほかに、10種類以上のグラスワインを用意。グラスワインはレギュラーサイズ150ccとエンジョイサイズ90ccの2種類のグラスサイズがあり、好みのワインを気軽に楽しめるというのも特徴だ。これがグラスワイン族の支持を集め、20代後半~50代前半の幅広い層が来店しているそう。

 また、スパークリングワインの人気も高いそう。同店を運営するダイナックのワイン業態担当課長であり、シニアソムリエの資格を持つ松田祐也さんは、「“とりあえずビール!”より、“とりあえず泡!”が定着しつつある」と語る。

◆関連サイト
西友
新宿ワイン倶楽部