仕事でもプライベートでも、発信力を高めることができれば、やりたいことができる環境が整う時代。せっかくの実力が発信力の弱さで埋もれぬよう、さまざまな実例をあげ、女性らしくしなやかに自己主張ができるようになる手法を、プレゼンノウハウに詳しい池田千恵さんが指南していく連載です。

発信ベタを直してから発表しようとしては遅い

(C)PIXTA
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 「発信が苦手ですが、どうしたらよいですか?」と聞かれたら、私は第一に「苦手なままでいいのでとにかく人前にでたり、ネットで考えを発信する練習をしたりして慣れてください」と答えます。なぜなら、発信が苦手だと自覚している人ほど、「話し方」「うまいコミュニケーション」などに対する知識を得ること(インプット)に貪欲な一方で、実際に場数を踏むこと(アウトプット)をおろそかにしているからです。「苦手だ苦手だ」と言いながら練習をしないから、いつまでも「苦手だ」から抜け出すことができません。

 例えば私は発信力向上をテーマに講演や研修を行うことが多く、文章での発信力向上にはブログやSNSなど、自分以外の人の目に触れる場所で書くことが最適だとアドバイスします。しかしそのアドバイスを聞いて実行するのは10%にも満たないのです。10%しかできないということは、逆に言えばその10%に入れればすぐに上達するのにな、といつも残念に思います。