「朝の余白」ですべき発信力向上法
では、朝の時間を捻出し、「余白」を作ることができたあとすべきことは何でしょうか。おすすめは次の2つです。
2.自分の最高パフォーマンス、最低パフォーマンスを思い出してみる
順番に説明します。
<とにかくコツコツ練習を続ける>
まずは、下手だという自覚を持ちながらで良いので練習をしましょう。
● 人前に出て話すことが苦手なら、大きな鏡の前で自分の姿を見ながら話したり、動画を撮ったり声を録音して、実際に自分がどんな感じで話しているかを第三者目線で確認できるようにするのがおすすめです。
● 文章を書くのが苦手なら、匿名で良いのでブログやSNSを使い、実際に文章を書いて発表するという経験に慣れていきましょう。
なぜ練習をここまですすめるかというと、練習をおろそかにすればするほど、本当の自分の実力が見えなくなってしまうからです。「本当の私はこんなにできないわけじゃない」とか、「あのときは、たまたま体調が悪かったからうまくいかなかった」と、失敗した原因を他に求めるようになるのです。
逆に、「大丈夫!」と思ったところまでやったのに失敗すると、とても落ち込みます。「ああ、私ってまだまだだな」と思い知らされることも多いでしょう。しかし、ここで目をそらすと、いつまでたっても「本当はもっと実力があるはずだ」と勘違いしながら人生を送ることになってしまいます。起きたことを事実として分析するためには、全力でぶつからないといけないのです。
これを夜やろうとすると疲れてしまったり、必要以上に落ち込んだりと感情的になりがちですが、朝の時間で行うことでより前向きな気分になれますよ。
<自分の最高パフォーマンス、最低パフォーマンスを思い出してみる>
発信が苦手だと思う人でも、「そんな中でもましなほうだった」というときと、「あのときは最悪だったから二度と経験したくない」というときのように、自分の最高パフォーマンス、最低パフォーマンスがあるものです。そのときの状況を細かく思い出してみましょう。最高パフォーマンスのときに何があったかを思い出せば、験担ぎのように、「これをすれば成功する」という暗示を自分にかけることができますし、最低パフォーマンスを思い出せば(思い出すのは辛いことですが)、あのようにならないためにはどうしたら良いかを肝に銘じることができるようになります。
五郎丸選手の仕草で有名になった「ルーティン」や、イチロー選手のバッターボックスに立ったときの独特の仕草のように、自分の「ここ一番」のときにすることは多かれ少なかれ高パフォーマンスを出す方なら誰でももっているものです。
ちなみに私の尊敬する経営者の方で毎朝必ず一杯のビールを飲むという方がいらっしゃいます。最初は「え!朝からビール?」とビックリしましたが、理由を聞いて納得しました。ビールを美味しい、と感じられるときは心身ともに健康であるというバロメーターチェックのためなのだそうです。
「朝からビール」の例は極端かもしれませんが、あなた独自の「ルーティン」があったら、かっこいいと思いませんか? 電話やメールなど、周囲の邪魔がすくない朝の時間だからこそ、このような振り返りの時間をゆっくり取ることが可能ですよ。
どんなに話がうまい、文章がうまい人でも、「どうしてそんなにうまいのですか?」と聞くと必ず「慣れ」と答えます。慣れるためにはまず場数から。しっかり準備さえできれば、きっとあなたの発信力も上がっていきます。今日お伝えしたコツを意識して今後もコツコツ発信してみてくださいね。
文/池田千恵 写真/PIXTA
記事一覧ページは ⇒ 池田千恵の「しなやか発信力」の磨き方