「自分が自分が病」が「ここ一番」に邪魔をする

 冒頭の彼女や、過去の私のように、「ここ一番」というときに力が入りすぎたり、言葉がうまくまとまらずに頭が真っ白になってしまったりして本来の力が発揮できないという方は、「自分」に意識を置きすぎていることが多いのです。「自分がどう思われるか、受け取られるか」「自分は何を伝えなければいけないか」といったように、興味の先が主に自分なので、相手のことまで理解しようとせず、上の空で受け取ってしまうから、うまくコミュニケーションが取れません。これを私は「自分が自分が病」と名付けています。

 言葉のキャッチボールは、相手が何を言っているのかを聞いて、それに答える、の繰り返しです。それは採用面接の場でも同じことです。しかし、「自分」にばかり気が向いてしまうと、相手の話の前に「自分が言いたいことを伝えよう」とすることだけに一生懸命になり、話が噛み合わずに一方通行になってしまうのです。

 また、「自分が相手に嫌われたらどうしよう」「自分がこんなことを言って変に思われたらどうしよう」というように、ありもしない想像を巡らせることに忙しく、結局何も前に進まないといった状況になります。

 自分が、自分が、ではなく、相手が何を思っているのか? 相手に私は何ができるのか? といったように、「相手」に興味の先を向けることができれば、コミュニケーションの質も変わります

 今回は私がこの病から抜け出すきっかけとなった策を今回3つお伝えします。