ネガティブな気持ちは熟成させずに、切り替えを

 私は、ネガティブ思考や後ろ向きな思考が「悪」だとは思っていません。人間ですから、誰だってゆううつなことや、嫌なこともあるはずです。毎日の出来事に感謝できないときだってあるし、人に当たり散らすことだってあるでしょう。全てにおいて前向きに感謝しつづける聖人君子のようになりたいと思う気持ちはありますが、そうは言ってはいられないときだって、たくさんあります。

 実は、ネガティブ思考が悪いのではなく、その気持ちをいつまでも引きずってしまうことが悪いのです。ネガティブなことを思ってはいけない、考えてはいけない、と思っても、自然に浮かんでくるのであれば仕方がないこと。浮かんだ言葉をポジティブに切り替えるスイッチを自分に持っていれば良いだけです。

 以前「自分に対するネガティブ言葉を「上書き保存」する技術」という記事でも述べましたが、自分への声かけ次第で、物事はポジティブにも、ネガティブにもなり得ます。

 たとえば、私が長年プロデュースしている、早起きができるようになる朝専用手帳『朝活手帳』には、「戦略的先送りリスト」という項目があります。これは、月末に自分がやった行動やToDoリストを整理して、できなかったこと、やり残してしまったことをもう一度来月に持ち越すリストのことです。

 ここで「やり残しリスト」「できなかったことリスト」とせず、「戦略的先送りリスト」と名付けたのは、私自身が「やり残し」という言葉でテンションが下がるからです。「やり残し」というだけで、なんだか自分に負けた感じがしませんか? 私ってどうしてこんなに意志薄弱なんだろう、と、名付けた言葉によって落ち込むのです。