指示待ち残業と、そうでない残業を見極める目を持つ

 もう一つの工夫としては、自分の残業や相手の残業の種類を分析してみることです。

 「残業」と一言で言っても、「やむを得ない残業」と「自分の工夫で防げたはずの残業」の2種類あります。「自分の工夫で防げたはずの残業」を洗い出して、分析してみるのです。

 例えば、こんな経験はありませんか。上司から企画書作成の指示を受けたとき、その内容を完全に把握せず請け負ってしまったため質問ができなかった。案の定作業中に上司に確認しないと分からないことが出てきてしまった。でも上司は会議や外出でなかなか戻ってこず、結局チェックしてもらうまでに3時間待ってしまった……。これは指示を受けた時点で分からないことをすり合わせしていれば、防げたはずの残業です。このような小さな残業の改善を、一つ一つ繰り返してみましょう。自分の残業だけでなく、上司がどうして残業をしているのかを観察して、「自分だったらどう改善する」という視点を育てていけば、来るべき「脱時間給」の時代にも対応する訓練となります。

情報を仕分けして、自分ですべきこと/そうでないことを見極める目を養おう

 私たちは普段、じっくり考える時間がないから「とりあえず」「念のため」と先送りし、わざわざ情報を増やしています。その後、自分で増やした情報で自分を苦しめているのです。

 情報量が増える時代からは逃れることはできません。私たちにできることは、その情報をいかに取捨選択して、すべきこと、しないこと、急いでやること、そうでないことを仕分けすることです。

 まずは「仕方がない」の撲滅から始めて行きましょう! 自分の頭で考えることがより重要となる時代、それが、残業改善のための最初の一歩となります。

自分の時間が増えたら何をしよう? そう考えるとワクワクしますよね (C) PIXTA
自分の時間が増えたら何をしよう? そう考えるとワクワクしますよね (C) PIXTA

文/池田千恵 写真/PIXTA

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