「こうすべき」のモヤモヤにあなたらしさが隠れている

 「こうすればいいのに」の思いを相手に伝えるべきではない、という話をした上で次のようなことを言うと一見矛盾していると思われるかもしれませんが、「自分だったらこうするのに!」という職業病からくる叫びや、自分が苦労して成し遂げたからこそ分かる「こうなっていないのが残念」「もったいない!」と思うことをやめろ、ということではありません。そのような強い思いにこそ、あなたらしさが隠れているからです。その視点はぜひ、大切にしていただきたいものです。

 過去記事「発信力に自分独自のオリジナルメソッドはいらない」にて、今まで数十年生きてきた経験を掛け合わせ、あなたの「あり方」「信念」「経験」がブレンドされて染み出してくるものは、あなただけの「だし」のようなものだと書きました。

 私が「発信力」をテーマにした連載ができているのは、発信力に自信がもてなかったから、できる人だな、すてきだな、と思った人をたくさん研究して、実践してきたり、自分で試しては失敗してきたりしたお陰です。「アイタタタ」な人に過去のダメダメだった自分を投影してしまい、つい目についてしまうから、あえて厳しい視点でツッコミができて、修正すべき箇所も挙げることができるわけです。恥ずかしくて穴に入りたいような経験をしながら「こういうときは言うべきではないのだ」と、心から気付いて学び成長してきたことは、今思えば、自分だけのよい「だし」になったのではないかと思います。

 つまり、「こうしたらいいのに!」のモヤモヤを無理矢理押さえつける必要はありません。言うタイミングと場所に気を付ければよいだけです

 では、どう発散して昇華させればよいでしょうか。私は次の方法を提案します。