「言わなくても分かる」はラクだが成長しない

 今までの上司は最初から仕事ぶりを見てくれ、昇格までサポートをしてくれました。今までとはタイプが違う上司になったため、あうんの呼吸では伝わりづらくなったと思いますが、逆にこれはチャンスです。「言わなくても分かる」という状況にどっぷりつかってしまうと説明能力が低下するからです。自分のことを何も分かっていない人に、どう分かってもらえるかを伝えることができたら、たとえ今の環境から飛び出して転職したとしても使える武器となります。ここは伝え方を学ぶためのチャンスだと思って前向きに取り組んでみましょう。

 感情的になってしまうとよくしがちな間違いは、「新しい上司は私の仕事ぶりを評価してくれない」と、あなたを引き上げてくれたかつての上司に直訴すること。あなたを引き上げてくれた上司は、新しい部署は組織化が必要だと判断をした上で上司や後輩を入れたわけですから、今の上司を否定するということは、かつての上司の選択をも否定するということにつながりますので気をつけましょう。

 では、具体的にどのような対策が有効なのでしょうか。ポイントは二つです。

1.上司の「困った」「こうしたい」に着目し、それを解消する手助けをする
2.これまでの実績、今後の仕事内容、あなたと後輩の仕事の分担を「数字で、具体的に」記録しておく

 順番に説明しましょう。