「発表会形式」に慣れてしまうことの弊害

 なぜ私たちは、突然の発言の機会にきちんと意見を言うことを難しく感じるのでしょうか。私は、先ほどの海外生活が長い方の意見のように、発信する機会がなく、フィードバックを受けることに慣れていないせいで、「バカだと思われたくない病」を発病している人が多いのではないかと考えています。

 「こんなことを言ったらバカだと思われて恥ずかしい」「こんな行動をしたら他の人にどう思われるか怖い」という気持ちで発信することを恐れ、虚勢を張ることで成長の機会を逃してしまう状態のことを私は、「バカだと思われたくない病」と名付けています。

 実は、自分自身が守っている「理想の自分」なんてちっぽけなものです。バカだと思われてもいいから、思いついたら意見を言おう!と覚悟を決めると、実は「その考え面白いね」と言ってもらえることが増えるのです。

 とはいえ、せっかくのアイデアを発信したとしても、「何を言っているのか分からない」と思われたら悔しいですよね。思い切って発言してみたのに、相手に分かってもらえなければ、また「バカだと思われたくない病」を発症してしまいます。

 実は、意見をきちんと聞いてもらえるようになるためには言葉遣いの「見えないルール」があります。そのルールとは、次に述べる三つのことを避けるというものです。

やってはいけない三つのこと

●語尾甘(語尾が甘い)

●「察する」を期待する

●結論を後に伝える

 以下より、具体的に説明しましょう。