そのルールは「何のため?」

 今回私が彼女たちに伝えたプレゼンのルールは、今回においては絶対に守らなければいけないルールではなく、状況により破ってもいいものでした。では、破ってもいいルール、悪いルールの見極めはどのようにすればいいのでしょうか。

 私は、「そもそも何のためのルールなのか?」を立ち止まって考えることをお勧めしています。最初のルールが、そもそもどういう目的から作られたものなのかを考えてみるのです。

 「そもそも何のため?」と問いかけながら会社を眺めると、謎のルールがたくさんあるのに気付く方も多いかもしれません。

 例えば、第2火曜日の11時より毎回行われている定例会議があったとします。定例になっているからと、議題も無いのに会議をしている例はたくさんあります。情報共有が目的ならわざわざ会議をしなくても、メールだけで済んでしまうかもしれませんよね。

 接客業の会社で、定休日の木曜日は接客要員全員が休みになる、というルールがあったとします。制定当初はお客様への対応がない日を休みにすることが合理的だったかもしれませんが、接客業は単にお客様と接するだけが仕事ではなく、実は準備や後処理こそ大切な仕事です。たんまり残った事務作業のせいで営業終了後に残業を繰り返しているのが現状であれば、思い切って定休日は出社日にして事務処理集中日にしたほうが、生産性が高い可能性があります。

 ルールを守ることに一生懸命になり過ぎると、思考の枠にかっちりとはまってしまって、そこから抜け出せなくなってしまいます。変更可能なルールを「変えられない」と思い込むことで、のびのびしたアイデアをしぼませるようなことはしてほしくないな、と心から思います。