作業員でなくプロデューサーとして仕事をしよう

 「じゃああなたがそれをやって!」と新しいプロジェクトを任されたとき、真面目で一生懸命な人は、最初から最後まで丸ごと全部やらなければいけない、と思い込んでしまう傾向があります。しかし、「働き方改革」など、会社全体の意識を変えなければいけないプロジェクトのようなものは特に、上司はあなたに何から何までやってもらおう、というつもりは最初からありません。そうではなく、実行までの大きな構想や、道筋を考え、誰が、何を、どのようにやるかのデザインをしていくことが求められているわけです。つまり、あなたを作業員としてではなく、そのプロジェクトのプロデューサーとして任せよう、と考えているのです。

 プロデューサーなら、一歩離れたところから現場を見て、進行状況をチェック、管理するのが仕事です。具体的作業内容を最初から最後まで考えると思うと膨大な仕事量に気が遠くなりますが、誰に何をどうやってお願いするか、つまり「人」の組み合わせを考え、仕事の「粒」を割り振っていくと捉えれば、少しは気がラクになるのではないでしょうか。

 「みんな言ってたことなのに」 意見が通る人の違い2つでは、自分の頭で考え、判断し、自分が納得する道を自由に進むためにも出世してほしいと述べました。全部自分で決めて、引っ張っていくリーダーでなくても、つい回りが手を差し伸べて助けてくれるリーダーでもいいのです。頑張りの手綱をたまには緩めて、どんどん助けてもらうためにも、仕事の粒を細かくすることを意識して、なるべく人に振れるものは任せていくと、また新しい世界が見えてきますよ。

文/池田千恵 写真/PIXTA

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