残業が減るインタビュースキルとは

 同じ仕事をしていても、あの人は早く帰れて、あの人は帰れない、ということは良くあることです。事務作業の職場は特に、隣の人がどんな仕事をしていて、どんなペースで何を行っているかは見えないものですよね。

 作業を自分ひとりで抱えてしまう、見積もりが甘い、仕事をひとつひとつ丁寧に終わらせないと気が済まないなど、一般的に性格の問題と片付けられがちな残業問題ですが、「見積もりが甘いというのは、どこがどう甘いのか」「見積もりをしっかり取れる人との違いはどこなのか」「仕事を丁寧にするというのは、どこをどうすれば丁寧にしたことになるのか」「丁寧すぎるところとちょうどいいところの見極めはどうしたらよいのか」という具体的なところは、人と比較しないままだとアイマイでぼやけたものになってしまいます。

 ひとくくりに「メール作成」「資料準備」などと言っても、人によって手順は様々。仕事が速く正確な人の行動が共有化され、シェアできる環境をつくることができれば、作業のムリムダムラはなくなり、生産性は劇的に高まります。逆に仕事が雑で悩んでいる人は、丁寧な人の仕事ぶりを具体的に「見える化」できれば、どこが抜けると雑になるかも分かるようになります。

 最初に述べた通り、人は、自分が当たり前にしていることに関しては、質問されない限り、当たり前すぎてそれが特別なことだと気づかないことが多いのです。だから、社内に眠っている「宝物」が、だれにも見いだされることがなく眠ってしまっているのが現状です。職場でお互いにインタビューをし合うことができれば、自分ができていること、できないことを棚卸しすることが可能となり、共有できる貴重なアイディアとして活きてくるのです。

 インタビュースキルが上がると、次のようなメリットがあります。

● インタビューを受けた側は、自分が無意識に実践しているノウハウを誰にでもわかる形で言語化することができる

● インタビューをする側は、相手のノウハウを聞き出し、有用な方法を自分の中にインストールすることができる