自分の「宝物」になかなか気づけない

 インタビューされる側だけでなく、する側として様々な方のお話を聞く機会もあります。

 それぞれの方のこだわりや習慣を聞くと、以前述べた「あなたの普通は誰かのすごい」は本当だな、と思います。自分の中で「当たり前すぎて言うまでもない」と思ってサッサと終わらせてしまう仕事や、「え、当然みんなやっていると思っていたのに、ちがうの?」という習慣の中に、他の人にとっては、ものすごく貴重なことが隠れている場合があるのです。

 インタビューを受けるほう、するほうの双方の立場を経て思うことは、インタビューは、その人が持っている「宝物」を世に広げることができるスキルだということです。インタビューというと、メディア関係だけの話で、自分には関係ない、と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実は今、ビジネスシーンにこそ「インタビュースキル」が必要不可欠になってきているのを肌で感じています。

 昨今、残業時間削減や生産性の向上など「働き方改革」のニュースが話題になっていますよね。生産性を向上させ、残業を減らすにはどうしたら良いかが論点となっていますが、私は生産性向上のキモは「それぞれの仕事の“当たり前”の見える化と共有」だと考えています。