ネットや雑誌などで目にする同年代で活躍する女性たち。「こんな行動力があったら」「すごいなぁ」と憧れつつも、「私とは違う雲の上の人だし」「もともとの土台が違うよね」と、自分の延長線上にはない出来事としてあきらめてしまっていませんか?

 一方で、会社での抜擢人事。同僚や後輩の女性が急にリーダーになり、あなたを職位の上で追い抜かれてしまったとき、自分はリーダーになるつもりはないし仮に打診されたら断ると決めていたにも関わらず、「え? なんで? 私のほうができるのに」「なんかちょっとずるい」「うまくやったよね」と、心の中で少しだけ毒づいているようなことありませんか?

 前者には憧れやあきらめの気持ちを抱くのに、後者には嫉妬の気持ちが出てしまうのはなぜでしょう。

 それは、後者がより自分に身近なものと感じているからです。ちょっと頑張れば近づけたかもしれない自分の未来を感じるからこそ、それができなかった自分に自己嫌悪を感じたり、先を越された後輩や同僚に悔しい気持ちを持ったりするのです。

憧れや嫉妬は自分を高める原動力に

 これは、嫉妬がいけないという話ではありません。なぜなら、嫉妬している相手は自分にも起こりうる未来を少しだけ先に見せてくれる存在だから。

――嫉妬はあなたが高みをめざす原動力となるのです。

 「あの人にできて、私にできないはずはない」。その気持ちを原動力に目の前の物事に立ち向かえるようになったとき、憧れの人は身近な存在になってくるでしょう。その立ち向かうための手段が、適切な「発信力」を身につけることでできるのだとしたら、それを手にしたいと思いませんか?

 活躍している女性、抜擢され輝いて見える女性たちと今のあなたにどれほどの違いがあるのでしょうか。

 それは……「自分の想いを見極め、醸成して発信する力を付けているかどうか」たったそれだけなのです。

 この連載で定義する「しなやか発信力」とは、あなたが本当に実現したい未来のために、変な遠慮や見栄などを取り払い、躊躇なく発信し、誤解なく周囲に届ける力のことです。女性らしい細やかさや配慮を活かしたうえで、それでもキッチリ伝えるべきことは言えるあなたになりましょう。

 しなやか発信力を身につけることで「あの人にはできるけど、私にはできない」という思考を捨て去ることができ、本当にやりたいことを我慢することがなくなりますよ。