人間関係に広がりを感じなくなってしまったら…

 プログラムに対する彼女たちの感想を聞く中で、社会で活躍している女性でも、自分が生きる世界から一歩踏み出すことがいかに大変なことか改めて感じる。

 日本では同じ組織の中で長期間働くことが多いため、その組織での人間関係は非常に重要になる。そのような環境の中でプライベートなトラブルや悩みを共有すると、その情報が昇進に影響にするのではないかと心配する友人は多い。また、同じ組織でずっと働いている場合、人脈が広がりにくい。勤務時間が長い場合、なおさらそうだ。

 20代後半になると、学生時代の友人と会社の同僚で人間関係が止まってしまうケースも多い。周囲でも、「似た環境の人と話をしていると安心感はあるが、新しいアイディアや考え方に出会わないため、違う世界や業界の人たちの考え方を知りたい」という意見をよく聞く。

 実際に私自身、留学について日本の友人から必ず聞かれるのは、ハーバードの同世代の女性は何を考えて、人生をどう描いているのかということだ。

自分と全然違う世界で生きている人のアドバイスで悩みが解決できるかもしれない(C)PIXTA
自分と全然違う世界で生きている人のアドバイスで悩みが解決できるかもしれない(C)PIXTA

 JWLIプログラムの参加者のように、皆がアメリカで研修を受けられる機会はないが、日本の中にも多様性はある。仕事、性別、年齢、経済状況、住んでいる場所……自分と違った環境にいる人の価値観や考えを知ることから始めてみると、今の悩みを解決するヒントが見つかるかもしれない。

文・写真/大倉瑶子

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