もう1点困ったことに、この時期ならではの「小春日和」のありがたみも弱まっています。
小春日和は、冬を思わせる寒さの後に来る「穏やかで暖かな晴れの日」をさしますが、今年は冬のような寒さが足りず、気温の高い状態に慣れてしまっています。
ありがたみが弱いといえば「湯気系」の食べ物もです。寒さが強まると美味しさが増す鍋物やおでんなどは、冬の寒さが来るのを待っていそうです(『NHK気象・災害ハンドブック』によると、鍋物の売り上げが伸びる目安の気温は15度(を下回る)とあります)。
平年の11月下旬ってどのくらいの寒さだったか、と訊かれてもまず答えられないでしょう。私も「あと1週間で師走だからずいぶん寒いのかな?」くらいでピンときません。
たとえば「11月20日の最低気温平年値」は、那覇19.5度、福岡9.1度、大阪8.8度、名古屋7.0度、東京7.3度、長野2.0度、仙台4.2度、札幌0.3度ですが、今年の値は長野8.8度、名古屋13.0度、大阪12.8度、福岡14.3度でした。
もし、急に平年並みの気温になったら対応できないくらい暖かい朝が続いています。
そんな中、平年を下回る寒さが、金曜日ごろにやってきます。今回の寒気は、今季初めての「西回り(西日本の方が北日本より早く・強く寒気が流入)」です。 これまで暖かかった西日本で急に寒くなるのが要注意点です。
上着も暖房も要らない暖かさから一転、マフラーやコートが必須の寒さになります。この寒さで風邪をひいてしまうと、12月のスケジュールをこなすのに支障が出かねません。オシャレより暖かさ優先の服装選びと、暖房なども無理せず使って寒さを乗り切りましょう。