【催促】相手を思いやりながら、提案とともに自分の状況を伝える

 続いて、「催促」のポイントについても伺いましょう。

 催促が必要なときというのは、相手の対応が遅いなどの理由で自分が困った状況になっているもの。そこで、相手への配慮をしつつも自分が困っているということを伝え、希望する期日を伝えます。

 例えば、「お忙しいところ申し訳ございませんが、明日17時までにお返事をいただけなければ、制作が遅れて納品日に間に合わない可能性がございます」というように、具体的な状況を認識していただきつつ期日を提案するのです。

 さらに、可能な範囲で助け舟を申し出るというのも効果的。「○○に関しては、こちらでお手伝いさせていただきましょうか」など、自分がサポートできることを探して相手の負担を減らすのです。

 「こうした歩み寄りによって『自分のことを考えてくれている』という姿勢が伝わり、信用につながります」と杉本さん。

 また、催促をするときに気を付けたいのは早口にならないこと。「できるだけ落ち着いた口調でゆっくりとお伝えしましょう。こちらの都合で頭がいっぱいになるとつい早口でせかしがちですが、常に相手の心情を考慮することを忘れずに」

【お断り】今後も良好なお付き合いをしたいという意思を示して好印象に

 そして最後は、「お断り」のコツについて伝授していただきましょう。

 「断る理由を添えてお伝えしたほうがいいですね。理由も分からず断られるのは、ふに落ちないものです。ただし、長々と言い訳をする必要はありません。例えば、相手のお誘いを辞退するのであれば、『出張のためタイミングが合わないので』といった簡単な理由とともに丁寧にお断りすればいいでしょう」(杉本さん)

 相手との関係性を大切にしたいなら、お断りと同時に代案を示すのも一つの手。

 「例えば『明日はどうしてもお伺いできないのですが、明後日であれば可能です。いかがでしょうか』というように代案を出せば、今後も良好なお付き合いを継続したいという意思表示になります」と杉本さん。

 それでも都合がつかない場合は「このたびは申し訳ございません。また機会がございましたら、ぜひよろしくお願いします」などとお伝えします。

 上司などの代理で断るときや、断ったことによって気分を害されそうなときは「恐れ入りますが、ご了承いただけませんでしょうか?」「ご要望(ご希望)にお応えできず誠に申し訳ございませんが、ご了承いただけませんでしょうか?」などの言葉を加えてもよいでしょう。