秘書業務のメリットとデメリット

 鈴木さんいわく、前職の法律事務所は70代の所長の秘書として、1日2人ぐらいの来客対応やお弁当の買い出しなど、「難しくはないけれど、1日中事務所で過ごすため、すごく気を使う仕事」だったといいます。

 一転、今の職場では社長秘書と営業を兼務し、外に出る機会も多く、「毎日1万歩~1万5000歩は歩く」というアクティブさです。

 「それでも社長の会食に同行すれば、他社の経営陣など、普段はお目にかかれない方々のお話を伺えます。企業のトップは、こういう考え方で、こういった情報発信をされているんだ、と間近に感じることができ、本当に勉強になっています」(鈴木さん)

「さまざまな人と会う機会があり、本当に勉強になっています」(鈴木さん)
「さまざまな人と会う機会があり、本当に勉強になっています」(鈴木さん)

 一方、「社長のスケジュールが最優先のため、自分のことがおろそかになる」のが悩みだとか。

 「自分のスケジュールを把握しきれず、友達との予定を3回ぐらいキャンセルしてしまったことがあります。休日にメールや電話連絡が入ることもありますし、ワークライフバランスは取りづらいかもしれません。ただ、これは転職したばかりで不慣れなせいでもあるので、徐々に改善できるかもしれません。それよりも社長秘書兼営業として、いろいろな場所に行って、さまざまな人に会える、刺激的な毎日を楽しむとともに、がん治療開発の会社ということで社会的な意義も大きく、とてもやりがいを感じています」(鈴木さん)

聞き手・文/三浦香代子 写真/稲垣純也 取材協力/こちら秘書室