虫よけ剤の使い方にはコツがあった!
市販の虫よけ剤は持続時間が4~6時間で、汗をかくととれてしまうので、その都度つけ直します。多くの虫よけ剤には、ディートという昆虫忌避成分が使われていますが、濃度によって医薬品と医薬部外品に分けられます(医薬品は12%以上)。濃度が高い方が、作用は強いと考えてよいでしょう。
生後6カ月未満の乳児には使用せず、小さい子どもは使用回数を少なくすること。また、子どもの場合は、ディートを含む商品のうち、霧状の液を吸い込まないようティッシュタイプやロールオンタイプのものを使うことをお薦めします。
衣服選びも大切です。山など虫の多い場所に行くときは長袖、長ズボン、帽子、手袋を着用するなどして、肌の露出を少なくするように気をつけ、首筋や腕、足など露出する部分に虫よけ剤をつけます。ただし、ポリエステル系やポリウレタン系の生地にディートをつけると変質することがあるので、ストッキングの上からつけるのは避けましょう。
自宅でよく蚊に刺されるという場合は、近くに蚊が発生する水場があることが考えられます。水場や草木が茂る場所に蚊が生息しますので、庭やベランダなどで家庭用殺虫剤を使用する、部屋に蚊が嫌う香りを漂わせるなど、蚊を発生させないような環境づくりも心がけましょう。
帝京大学薬学部 教授
東京薬科大学薬学部卒。医薬品情報専門薬剤師。日本医薬品情報学会OTC情報委員会担当。好評連載「薬剤師直伝! 市販薬の選び方・使い方」で、「『虫に刺された…』ときに効く薬」を執筆した。
文/塚越小枝子=フリーライター
日経Gooday「蚊に刺された…プロが教える市販薬の正しい選び方」を転載
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