整腸機能を持つヨーグルトは主要各社が提供

 一方で、整腸効果をうたったヨーグルトは主要メーカーがそれぞれ提供しており、ビフィズス菌を採用するメーカーと、複数の菌を使うことで健康改善機能を増やしたメーカーに大別できる。

 ビフィズス菌を採用するメーカーには、森永乳業、江崎グリコなどがある。森永乳業の“ビフィズス菌BB536”は製品の中での生菌数が高く、生きたまま大腸に到達することができる点を売り物にしており、「ビヒダス プレーンヨーグルト」に使用されている。「お腹の調子を整えて、排便回数が増えることを示す実験データがある」(リテール事業部マーケティング統括部の赤津裕之マネージャー)という。

「ビヒダス プレーンヨーグルト」(森永乳業)
「ビヒダス プレーンヨーグルト」(森永乳業)
ビフィズス菌BB536
ビフィズス菌BB536

 一方、複数の菌を使うのは明治、雪印メグミルクなどだ。明治は、乳酸菌(Lact Acid Bacteria)と、ブルガリア菌2038株、サーモフィラス菌1131菌の3種類を混合した“LB81”を採用。整腸・便秘改善の効果に加えて、腸の防御機能を高める物質「抗菌ペプチド」の発現を高める効果も持ち、病原菌への感染リスクを低くする働きがある。さらに皮膚機能の改善や美肌効果も望めるという。

「明治ブルガリアヨーグルトLB81」(明治)
「明治ブルガリアヨーグルトLB81」(明治)
混合菌“LB81”
混合菌“LB81”
LB81乳酸菌の摂取で善玉菌が増え、悪玉菌が減った
LB81乳酸菌の摂取で善玉菌が増え、悪玉菌が減った
38歳~59歳の男性8人が、毎日1日あたり500gの「LB81乳酸菌」を使用したヨーグルトを2週間食べ続け、食べる以前、食べ続けている間、食べるのを止めた後の3回の糞便を採取して、それぞれの細菌叢を調べた。その結果、食べ続けている間に悪玉菌が最も減り、善玉菌が最も増えたことが確認できた

機能性表示へのメーカー対応はまちまち

 ところで、食品の健康改善機能をメーカーが消費者に伝えるための制度として、2015年4月から機能性表示食品制度がスタートした。ヨーグルトには特定保健用食品(トクホ)と機能性表示食品の2つの制度が用意されたことになり、既に幾つかの商品が販売されている。

特定保健用食品や機能性表示食品に登録された主なヨーグルト製品
特定保健用食品や機能性表示食品に登録された主なヨーグルト製品

 トクホは一定の基準に従って国が審査して、機能性の表示を許可する制度。一方の機能性表示食品は企業が自ら機能性の根拠や安全性などを消費者庁に届け出て、受理されれば企業の責任で機能性を表示することができる。国が認めたものを良しとするのか、企業の自己責任を信用するのかは、消費者の判断に委ねられる。さらに、明治のように、機能性の表示はせずとも機能性を持っている製品もたくさんある。

 あくまで機能性の表示は参考情報の一つと考え、しばらく食べてみて、自分の体で効果を感じられる製品を選ぶといいだろう。

文/継田治生

日経Gooday「新しい機能派ヨーグルトが続々! あなたにぴったりのヨーグルトは?」を転載

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