免疫力改善、プリン体カット等で明治がリード

 新しい機能派ヨーグルトの提供に最も積極的なのは明治だ。同社が持つ乳酸菌“OLL1073R-1”(通称:R-1)は、体内に侵入、発生したウイルスなどの異常な細胞を攻撃する働きのある“NK細胞(ナチュラルキラー細胞)”を活性化させる“免疫力改善機能”を持つ。実際に『山形県舟形町』・『佐賀県有田町』にて、高齢者が摂取を続けた結果、風邪の罹患リスクが低下したデータがある。この乳酸菌は「明治プロビオヨーグルトR-1」などの製品で摂取できる。

「明治プロビオヨーグルトR-1」(明治)
「明治プロビオヨーグルトR-1」(明治)
乳酸菌“OLL1073R-1”
乳酸菌“OLL1073R-1”
乳酸菌「R-1」の摂取で風邪の罹患リスクが低下
乳酸菌「R-1」の摂取で風邪の罹患リスクが低下
山形県舟形町に住む70~80歳の健康な高齢者57名と、佐賀県有田町に住む60歳以上の健康な高齢者85名を対象にして行った試験。乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトを1日90グラム食べる群と、牛乳を1日100ミリリットル飲む群に分けて、試験を行った。舟形町では8週間、有田町では12週間継続して食べてもらい、体調や免疫の変化を比較した結果、どちらの地域でも、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトを食べた群の方が風邪の罹患リスクが低下した

 また、明治が持つ“乳酸菌PA-3株”は、痛風の一因と言われるプリン体の吸収を抑える。プリン体は生命活動に必要だが、食べ過ぎや酒の飲み過ぎによって過剰摂取すると、痛風や高尿酸血症につながる恐れがある。この乳酸菌は、「明治プロビオヨーグルトPA-3」などの製品に含まれる。「利用者の9割は男性で、特にプリン体を気にする40~50代の男性が多い」(ヨーグルトマーケティング部の菊地基泰マーケティング2グループ長)という。

 加えて、胃腸にすむピロリ菌を減らす乳酸菌“OLL2716株”(通称:LG21)も明治が持つ。胃潰瘍・胃炎・胃がんなどの原因の一つとされるピロリ菌だけを狙って減らすことができ、「お腹に優しい乳酸菌」といわれている。この乳酸菌は「明治プロビオヨーグルトLG-21」などの製品に含まれる。この製品も、「年配の男性の利用が多い」(菊地さん)という。

 明治以外では、雪印メグミルクが内臓脂肪を減らす効果をうたった、新機能派のヨーグルト「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」を提供している。同社が持つ“ガセリ菌SP株”では、内臓脂肪・皮下脂肪の低減効果が実験で検証されており、「ウエストを細くしたい女性に加え、メタボ対策を行う中高年男性の利用も多い」(市乳事業部発酵乳・デザートグループの相沢利規氏)という。

「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」(雪印メグミルク)
「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」(雪印メグミルク)
ガセリ菌SP株
ガセリ菌SP株
ガセリ菌SP株の摂取により腹部の内臓脂肪が低減
ガセリ菌SP株の摂取により腹部の内臓脂肪が低減
肥満傾向(BMI値:25kg/㎡以上30kg/㎡未満、内臓脂肪面積:80平方センチ以上)の20歳以上65歳未満の成人被験者101名を対象に、実験を実施した。被験者は、ガセリ菌SP株入りヨーグルト100g(ガセリ菌SP株10億個)を摂取した群(男性:27名、女性:25名)と、ガセリ菌SP株を含まないプラセボヨーグルト100gを摂取した群(男性:27名、女性:22名)の2群に分け、それぞれのヨーグルトを1日1個、12週間毎日摂取した。その結果、ガゼリ菌SP株入りヨーグルト摂取群では、腹部内臓脂肪面積の有意な減少が認められた