メンタル不調が現れる4つのポイント

 メンタルの不調に気づくために、上司や同僚、家族が気にかけてほしいポイントが4つあります。それは「挨拶」「疲労」「睡眠」「食事」です。

 以前より挨拶の声が小さくなる、自分から挨拶をしてこない、挨拶をしても返ってこない、まめに近況を知らせていたメールが減ったりこなくなったといった様子があるときは要注意です。また、常に疲れていて覇気がない、よく眠れていない、朝起きられないといった様子がある、食欲不振や暴飲暴食が見られるといった点にも目を向けてみてください。

まずは傾聴から。核心を付く質問はNG

 こうした点が気になったときには、まずそれらの様子から尋ねてみるといいでしょう。「最近、疲れているみたいだね」「出社が遅くなったようだけど、朝起きられないの?」「ちゃんと食べてる?」といった具合です。疲労や睡眠、食事の話題は、わりと素直に話ができるものです。

 一方、いきなり「うつじゃないか?」などとメンタル不調を切り出すと、「違います」「大丈夫です」と言われて、会話がストップしてしまいます。また、叱咤激励のつもりで「頑張れ」「元気を出せ」などといって声をかけるのも、そうした状態のときにはプレッシャーになって、さらに落ち込むこともあるので避けた方がいいでしょう。

 4つのポイントから様子を見たり声をかけたりして、それでも不調が2週間以上続くようなら、会社で契約している産業医やカウンセラー、電話健康相談サービスなどのほか、医療機関の受診を勧めたりしてほしいと思います。大切なのは、素人判断で「大丈夫だろう」などと決めつけずに、専門家に連絡をして、調整をすることです。