純米大吟醸より純米酒の方がいい?

 しかし日本酒だったら何でもいいのだろうか? 冒頭でも少し触れたが、日本酒は大きく分けて、醸造アルコールを添加した「本醸造タイプ」と、醸造アルコールを添加しない「純米酒タイプ」がある。日本酒にこだわる左党に支持されているのは、お米と麹だけで造る純米酒だ。

福光屋 開発本部 店舗事業部次長の若月佐恵子さん。福光屋の店舗事業部の責任者だ(東京・六本木の東京ミッドダウン店で撮影)
福光屋 開発本部 店舗事業部次長の若月佐恵子さん。福光屋の店舗事業部の責任者だ(東京・六本木の東京ミッドダウン店で撮影)

 「お肌に良いとされるのは、醸造アルコールを添加していない純米酒です。純米酒とは醸造アルコールを添加せず、水とお米と麹だけで造られているピュアなお酒を指します。純米酒の方がアミノ酸が豊富に含まれています」(若月さん)。

 なるほど、お米と麹だけで造った純米酒の方が効果があるのだ。では、純米酒ならどれでも同じなのか。

 「値段が高く、お米をたくさん磨いて造った高価な純米大吟醸酒の方が良いと思われがちですが、お肌には断然、純米酒の方がいいのです」(若月さん)。

 米を多く磨いて造った高価な純米大吟醸酒より、値段の安い純米酒の方が肌に良いとは、財布にとっても朗報だ。しかし何故、純米大吟醸酒よりも純米酒の美容効果が勝っているのだろうか? それには「日本酒の製造方法が関係している」という。

 「日本酒は原材料となる米を磨くほど、雑味が少なく、フルーティな味わいになります。純米大吟醸酒はその最たるお酒です。実はこの「雑味」に関係しているのがアミノ酸で、多過ぎると「雑味」と感じやすく、ほど良いと「旨味」と感じます。飲むことだけを考えれば、アミノ酸の含有量はほどほどが飲みやすいのですが、美肌を目的とすると、多ければ多いほどいい。つまり米をあまり磨かないで造ったアミノ酸豊富な純米酒の方が、美肌効果が高いということになるのです」(若月さん)。