2.症状のタイプと合う成分(内服薬)

 内服薬は全身に作用します。そのため鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなど花粉症の症状全般に有効です。その一方で、眠気などの副作用が問題となります。

抗ヒスタミン成分は2種類に大別

 花粉症の内服の市販薬でよく配合されているのは、抗ヒスタミン成分です。抗ヒスタミン成分は、「第1世代抗ヒスタミン成分」と「第2世代抗ヒスタミン成分」に分けられます。これらは開発時期が異なるほか、眠気といった副作用の現れ方に違いがあります。第2世代の方が第1世代よりも副作用が現れにくいことがわかっています。

 第1世代抗ヒスタミン成分の代表格は、クロルフェニラミンマレイン酸塩です。この成分を中心に、随伴する症状を抑える成分が一緒に含まれています。例えば、鼻水を抑える抗コリン作用のある副交感神経遮断成分(ベラドンナ総アルカロイドなど)、鼻詰まりを緩和させる作用のある交感神経興奮成分(プソイドエフェドリン塩酸塩など)、鼻粘膜の炎症を抑える抗炎症成分(リゾチーム塩酸塩など)、眠気を防止したり頭重感を改善させる中枢神経興奮成分(無水カフェインなど)が、配合されているのが特徴です。また、持続時間が4~6時間と短いため、製品の中には、溶け出す時間の異なる2種類の顆粒を配合したり、錠剤を2層構造にするなどして、 効果が長く続くよう設計されているものがあります。

 一方、第2世代の抗ヒスタミン成分には、フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、アゼラスチン塩酸塩などがあります。近年、医療用医薬品から転用され、市販薬にも配合されるようになりました。第1世代に比べて、効果が発現するまでの時間がかかりますが、眠気や口渇(喉が渇く)といった副作用は少ないのが特徴です。また、第2世代の抗ヒスタミン成分は、抗アレルギー作用をあわせ持っているので、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターの発生そのものを抑えます。ですから、花粉症の症状が出始めたら早めに服用すると効果的です。

 なお、前立腺肥大症や緑内障の方は、強い抗コリン作用を有する第一世代抗ヒスタミン成分は、症状を増悪させる可能性があるため、使用してはいけません。卵アレルギーのある人は、リゾチーム塩酸塩を配合しない製品を選択しましょう。

漢方薬も選択肢に

 また、漢方成分として、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)なども、花粉症の症状の緩和に有効とされています。