高学歴で高収入、美人できさくなのに現在は恋人がいない女性がいます。フリーの人事コンサルタントである山口慶子さん(仮名、41歳)です。16年間付き合った婚約者とは2年前に別れ、その夏に出会った10歳下の会社員男性は割り勘にこだわり過ぎるので興ざめしました。アメリカで生まれ育ち、社会人になってからも大学院教育はアメリカで受けた慶子さんには、恋人だけではなく腹を割って何でも話せる友だちも国内では少ないようです。

 「女性が相手だと、学歴や仕事だけでなく、着ている服から恋人のステータスに至るまで、すべてがマウンティングの対象になるので疲れてしまいます。男性の飲み仲間がほしいです。今のところ、月1ぐらいのペースで会えるのは昔の仕事仲間の60代男性だけ。彼は既婚者で、私への下心もないと思います。日本社会はまだ男性中心に動いているので、働いている男性と話すと勉強になることも多くて面白いです」

 僕は慶子さんより2歳下の男性で、働いている業界も異なります。年下、異性、他業界という3要素もあって気楽に話せています。ただし、慶子さんには本人は意識していなくても自慢と受け止められる発言が見受けられます。おそらくアメリカでは当たり前の自己主張なのだと思いますが、謙遜を美とする日本社会では違和感を与えかねません。慶子さんより少しだけ年上だったり、同性だったり、同じような仕事をしている人からは、「あっけらかんとマウンティングをしてくる人」と敬遠される気がします。友だちが少ないことの原因はそこにあると僕は思います。

山口慶子さん(仮名、41歳) 「欲しいものがあれば自分のお金で買います」
山口慶子さん(仮名、41歳) 「欲しいものがあれば自分のお金で買います」

 日本育ちの日本人であれば、職歴や学歴、収入、家族などの話題は相手を選びますよね。例えば、大学時代の仲間との食事会で、男友だちの奥さんが同席していたとします。彼女は別の大学出身です。年齢の近い同性であるあなたが自分たちの母校を誇るような発言を繰り返したら、その奥さんへの攻撃だと受け止められる危険性があります。夫の会社名や子どもの有無、我が子が通っている学校なども同様です。同質性の高い日本社会では、年齢や性別などの共通点がある他者に対してコンプレックスを抱きやすいのだと思います。

 ただし、慶子さんには悪気はまったくないので、友だちは数人いれば十分だと思うならば反省する必要はありません。じっくりと付き合って信頼関係を築ける恋人がいると生活がより豊かになる気がします。「一人で生きていきたいわけではない。いい人がいたら紹介してほしい」という慶子さんはどんな男性を求めているのでしょうか。