本サイトでも人気だった連載「深澤真紀の女オンチ人生」を発展させ、女オンチに「男オンチ、社会オンチ」までをテーマにした書籍が、来月、刊行されることになりました。対談相手として加わったのは、若手の社会学者、古市憲寿さん。「女オンチ、男オンチ、恋愛オンチ、社会オンチ」について、語り合いました。

今回のテーマは「人にモノを言いたい人」です。

深澤:人をバカにする古市くんだけど、一方ではおじさんやおばさんに説教されてあげて、彼らの説教したい欲を満たしてあげるという、えらいところもあるよね。

古市:まあ、「話を聞きます」というポーズはとりますね。本当に話が面白いこともあるし!

深澤:私の場合は自分が若いときに、おじさんやおばさんからしょうもない「あなたはこうあるべき」とか「40歳になったら必ずわかる」みたいな、よくわからない寝言を聞かされてきて。

古市:寝言(笑)

深澤:彼らは説教しながら尊敬されようとするから、それがもう本当にうっとうしかった。だから尊敬されたがるより、バカにされる中年の方がまだマシと思ってるのかもしれない。

古市:尊敬されたがる中年はめんどうくさいもんね。

深澤:私の場合、「こうなりたい自分」っていうのはあまりないんだけど、「こうなりたくない自分」はすごくある。

古市:というのは?

深澤:たとえば、あなたが周りの大人からよく言われる「古市はこのままだと社会学者としてどうかと思う」とかいう説教には同調したくないし、そういうことを言う人にはなりたくない。

 それよりも「古市って、社会学業界の蛭子能収だよね」って笑って、あなたから「そういう深澤さんだってひどいよね」って言われるほうがマシな気がしてる(笑)

古市:この前、実際に蛭子能収さんに会ったら、全然僕とは違いましたよ!

深澤:たしかに蛭子さんに失礼だった(笑)。