ヒモを体に巻くだけで体のバランスが整い、凝りや痛みを解消できるのが「ヒモトレ」。いまや、スポーツ界、医療・介護の場にも幅広く取り入れられている注目のメソッドをご紹介します。

 体にヒモを巻くだけで凝りが取れたり、動作が滑らかになるとして、いま注目を集めている「ヒモトレ」。まずはその作用を実感してみよう。用意するのは、長さ1.5m、太さ6mm程度の丸ヒモ。パーカーのフードのヒモや、巾着袋の口ヒモのようなものが理想だが、上のチェック法を試すだけなら、スカーフやストールでも代用できる。

 肩幅より少し広めの輪にしたヒモを手首にかけ、軽くテンションをかけた状態を保ちながら、腕をゆっくりと頭上へ持ち上げる。同じ動きをヒモがない状態でも行い、動きの軽さや可動域を比べてみよう。ヒモがある方がスムーズに気持ち良く動き、可動域も広がったのではないだろうか?

 「ヒモに適度な張りを持たせて保つことで、体を動かそうという意識と、動くことによって生じる体からの情報のやり取りがスムーズになります。それにより、腕や肩だけではなく、背中や下半身も連動性が良くなるので動きが滑らかになります」。ヒモトレを発案したバランストレーナーの小関勲さんはこう話す。

 小関さんによると「私たちの体の中には、日々の動きのくせで使われ過ぎの部位と、あまり使われていない部位がある」という。例えば肩や首、腰は負担が集中しやすく、凝りや痛みが起きやすい。一方、肩甲骨まわりやわき腹は怠けがち。その結果、むくみやたるみが生じ、姿勢も崩れる。ヒモトレは、このアンバランスを整えることで、凝りや痛みを解消しながら、姿勢やスタイルをシャキッと改善してくれるのだ。

 次週から、オフィスなどで使える「ヒモを巻くだけメソッド」と、自宅で行うヒモを使った体操の「ヒモエクササイズ」を紹介する。まずは試して、実感してみよう。