占いやおみくじ、見るべきところとは

 最近では朝のテレビ番組で今日の運勢といった占いが流れますが、こうした占いも昔から続いてきた考え方をベースにしたものですから、エンタテインメントの要素が大きいとはいえ、決していい加減なものではありません。例えば、射手座の人が「今日は新しいことを始めるのによい日」などと言われたら、その言葉をきっかけに新しいことにチャレンジしてみればいい。「失敗に気を付けて」と言われたら、注意を払いながら1日を過ごせばいい。雑誌の占いや神社、お寺のおみくじでも同じことです。

 おみくじを引いた時、「大吉」「小吉」といった部分ではなく、書かれたことをしっかり見てみてください。そこに書かれたすべてのことが自分にあてはまるわけではないでしょう。でも、そこには、心に引っ掛かるフレーズ、ちょうど自分が欲しいと思っていたアドバイスが書かれていたりするのではないでしょうか。

 意識はしなくても自分の中で何か引っ掛かりを感じていることがあると、それが占いとシンクロする、ということはあると思います。例えば、家を出る時にふと「雨が降るかも」と思ったけれど、傘を持って行かなかったら、やはり雨に降られてしまったなどということがある。このように、心が「無」の状態でふっと頭に浮かんだ事柄は、自分へのメッセージだったりするわけです。

 占いは、当たっている、当たっていない、ではなく、自分の中の「気付き」を引き出してくれるもの。ですから、自己との対話、自問自答がとても大切になります。特に悩みがある時には、「次」の行動へとつながり人生の指針となるはずです。

 自分が感じることをないがしろにしないよう、「気付く」ことに気が付くためには、例えば、天体の動きを意識して、「今日は満月ね」などと感じてみることが大事です。先人たちが研究してきた天体の動きを実際に感じてみるわけです。すると、自分の誕生日に関連した天体の動きはこの日から始まるんだななどということも分かるようになります。

「占い」と「季節」、こう付き合う

 天体の動きは季節にもリンクしてきます。二十四節気(1年を春夏秋冬の4つの季節に分けた上で、それを更に6つに分けたもの)を思い、「今日から立冬(冬の始まり)だな」などと暦を意識してみるのもいいでしょう。今年の夏は猛暑でしたが、立秋(秋の始まり、今年は8月8日)を過ぎたあたりから涼しい風が吹き始めました。

 そういう変化を感じることは、日常のメリハリになります。現代社会はすべてが加速していて、みんな「立ち止まる」ことがないですよね。ですから、みんな、ちょっと立ち止まってみようよ、季節をちゃんと感じようよ、と私は思うのです。

 ただせわしく生きるのではなく、立ち止まれることは大切です。特に前向きでポジティブな人は自分の前方しか見ていないもの。当たり前のことですが、仕事が山のようにあって寝不足が続くとイライラします。そして、余裕がある時なら何も思わないことでもカチンときたりする。でも、ふっと「季節の変わり目だな」などと意識し、体に負担がかかりがちな時期だと感じることで、睡眠をしっかり取ろうなどと行動することができれば、イライラすることなく、しっかりと考えを巡らせるようにできるようになる。

 みなさんは、「土用の丑の日」をご存じですよね。暑い夏に「鰻を食べて精を付ける日」として一般に知られる日です。これは、「土用」という期間の中の「丑の日」(昔は各日に十二支を当てはめた)を指すわけですが、実は「土用」は、夏だけでなく春夏秋冬それぞれの季節にあります。立春、立夏、立冬、立冬の前の18日間をこう呼び、季節が移行する期間なのです。大きな季節の切り替わりに土用があるので、滋養強壮のために鰻を食べようとなったわけですね。昔の人の考えというのは、とても理にかなっているのです。

 今の時代を否定するわけでは決してありません。でも、古き良きものを生活に取り入れていくという姿勢も必要なのではないかと思います。

「運」の正体

本書では、「運がいい人」とは「見当違いの努力をせずに、自分の運の波を感じて、その波にありのままに乗っている」人であり、運は「こころのリズムとリンクしている」といいます。「運」をどうとらえるか、「運」をつかむための8ステップ、「運」を上げる7つのメソッドなどを紹介。「自分が されて嫌なことはしない」「3カ月、3年…、“3”で区切って見直す」など、具体的ですぐに実践できることが満載の一冊です。
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