「グチグチさん」とも距離を取るのが正解 方法は

 イライラさんと同じぐらいあなたのエネルギーを減らすのが、「グチグチさん」かもしれません。

 女性の場合、「思いを共感してもらうことで浮き上がる」という性質が強いので、口が堅くて、かつ聞き上手な人ほど愚痴の受け皿になることが多く、ちょっとしんどくなることもあるでしょう。

 怒りほどではありませんが、愚痴も、「嫌な感じ」という感情が乗り移りやすい。嫌な出来事、苦しい気持ち、そういった感情を受け入れるにも、許容範囲があります。「この人に会うとなぜか疲れる」「嫌な感じがする」という感覚を大切にしましょう。そういった感覚がはっきりとあるのなら、あなたの行動を変えることが賢明でしょう。

 このとき、例の長女キャラが登場し「相手も困っているのだから」「私以外に言える人がいないんだよ?」という声が強くなって我慢してしまうことが多いでしょう。しかし、実はこれは双方にとって悪いことなのです。

 あなたは次第に、相手のことを「私に我慢を強いる相手」と認識し、嫌いになってきます。顔を見るのも苦痛になり、自覚はしていなくても冷たい態度を取るようになるでしょう。

 人間は、負担を掛けられると、相手を嫌いになりたくなくても嫌いになってしまう動物なのです。

 なぜなら、自分のエネルギーを吸い取られると、自分の命が危険になるから。原始人モードで考えると、「相手を嫌いになる」というのも、至極まっとうな感情です。

 しかし、ついこの間まで親身になってくれた相手に冷たい態度を取られると、相手にとっては手のひらを返されたような感じがして、ショックも大きい。

 それよりも、「ちょっとごめん、今忙しいんだ」と、相手をかわす。

 「今日はあと5分しかないんだ」と時間を制限する。

 メールへの返信も疎遠にする。

ゆっくり距離をとって。離れても、大丈夫だから (C) PIXTA
ゆっくり距離をとって。離れても、大丈夫だから (C) PIXTA

 このように、「私はこれまであなたの話を聞いてきたけれど、これ以上は付き合うことはできません」と、きっぱり言うのではなく、マイルドに距離をとるのです。なにより、そうやって離れる自分を許すことが大切です

 人間はしぶといものです。その間に、グチグチさんも、多くの場合は別の話し相手を見つけていくでしょう。

文/柳本 操 イラスト/PIXTA