あなたも「仕事」で判断されている

 もちろん、お互いの仕事を応援し合ってうまく行く例もあります。

今の彼は営業の私を応援してくれており、私の業績も良い。彼が効率的に業績を上げていく人なので、刺激になり、自身もうまくやっていこうと前向きになる。(31歳、製造、営業、独身・未婚)

 もしかしたら、あなたがパートナーを「仕事の能力」で判断するとき、実は、彼もあなたを「仕事の能力」で判断しているかもしれません。仕事の業績というのは時流や運に左右されることも多く、どんなに頑張っていても、いいときもあれば、悪いときもある。そんな自分の努力ではどうにもならない要因によって自身の評価がアップダウンするなんて、なんだか心細いですよね。

 では、パートナーを「仕事」で測ってしまいそうになるドラミ系女子は、どうすればいいのでしょうか。

 オススメは、仕事以外に、どんなことがあっても、どれだけ時を経てもゆるがない評価軸を作っておくこと。

 人柄や人生観、なんなら「ごはんを食べるときの幸せそうな表情がいとしい」とかでもいい。「仕事」に価値のウエイトを置き過ぎるのは、「若さ」に価値を置くのと同じくらい不定形で永続性に欠ける、危ういものだったりするのです。

 余談ですが、私が身を置いている出版業界は、互いの仕事スキルにほれて同業者同士が結婚するケースがとても多いのですが、実は、(周囲を見ていると)、離婚率の高さも異常です。もっともそれだけが理由だといえないとは思いますが、仕事の評価と恋愛を混同させるとこういった結末を招くこともあるのだと、何卒参考にしていただければと思います。

【後編につづく】

文/稲田豊史 写真/PIXTA

プロフィール
稲田豊史
稲田豊史(いなだ・とよし)
編集者・ライター。キネマ旬報社を経て2013年にフリーランス。単著に「セーラームーン世代の社会論」「ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代」がある。映画関連のコラム・レビューを多数執筆するほか、雑誌「サイゾー」誌上で「オトメゴコロ乱読修行」を連載中。