日本に多くのファンを持つフィンランドのデザインハウス、マリメッコ。創業者はアルミ・ラティア(1912~1979年)という先駆的なアイデアにあふれたパワフルな女性で、数々の斬新なデザイン、製品を世に送り出しました。その精神は、現在のマリメッコにも受け継がれています。今年10月13日には、現マリメッコの女性CEOティーナ・アラフフタ=カスコさんが、米マイクロソフト社のパソコン「サーフェス」シリーズとのコラボレーション商品発表のために来日。日本マイクロソフト社長の平野拓也さん、駐日フィンランド大使のユッカ・シウコサーリさんとのトークイベントが行われました。イベントの内容から、マリメッコの成り立ちや、デザインが人々の生活に与える力、お三方の自分らしい働き方につながる考え方までを紹介します。

マリメッコのおなじみのテキスタイル柄をまとったサーフェスシリーズ
マリメッコのおなじみのテキスタイル柄をまとったサーフェスシリーズ

 イベント冒頭では、マリメッコの女性CEOティーナ・アラフフタ=カスコさんが、その創業時から女性が活躍する会社であった、マリメッコという会社の成り立ちを振り返りました。その話からは、早くから女性が社会進出を果たしたフィンランドで働く女性の姿が垣間見られます。

ティーナ・アラフフタ=カスコさん マリメッコには特別なストーリーがあります。当社は1950年代の初めにアルミ・ラティアが創業した会社です。彼女は、夫が共同経営者を務めていたオイルクロス(油をひいて防水性を高めた布)工場のための、プリントテキスタイルのデザインを依頼されます。そこで、若い女性アーティストやデザイナーを集め、斬新なファブリックデザインを次々と生み出していきました。

マリメッコCEOのティーナ・アラフフタ=カスコさん
マリメッコCEOのティーナ・アラフフタ=カスコさん

 製品を売り出すためにアルミは、これらのファブリックを用いたファッションショーを開催します。大胆なプリントと色を用いた布地の可能性を見せるためです。アバンギャルドでパワーにあふれたデザインに魅了された人々により、マリメッコのデザインは瞬く間に評判になり、注文が舞い込みました。

 マリメッコのミッションは、ポジティブで大胆なデザインの色、柄を通じて人々が日々の暮らしをより楽しめるようにすること。ライフスタイルを提案し、大胆な色、柄で人々の暮らしを刺激的なものにしたいと考えているのです。

 私たちがビジネスにおいて最も大切にしていることの一つは、「一緒に物事を実現する」ということ。さまざまな規模のクリエーティブなパートナーと組んで仕事をすることが重要なのです。ですから、マイクロソフト社とのパートナーシップも自然な流れでした。