Never Say No!(決して否定するな)

Never Say No!(決して否定するな) イラスト/和田ラヂヲ
Never Say No!(決して否定するな) イラスト/和田ラヂヲ

 会議のメリットの1つは、多様な視点を持てることにある。

 ただし、それは同時に対立も生む。

 決裁者と依頼者など、多様な立場の人が集まるほど、意見は対立しやすくなる。そして妥結は困難になっていく。どこかで「No」などの否定的な要素が発生するからだ。

 もちろんそれはよく分かる。しかしそれでも「No」は、会議後半の「ふろしきをたたむ」時間まで取っておいて、会議前半の「ふろしきを広げる」段階でNoはご法度とする。絶対に言ってはいけない。

 これがなかなか難しい。

 「ふろしきを広げる」前半では、突拍子もない意見は大歓迎なのだが、「Never Say No!(決して否定するな)」と掲げても、こんなことを言い出す輩(やから)が必ず出てくる。

「そんなのは現実的ではないよ」
「誰がやるの? ホントにできんの?」
「経費はどうするの?」
「責任取れんの?」
「オレは嫌だね」
「あの人は承認しないよ」

 ふーむ、困った。しかも、悩ましいことに影響力ある年長者の方が、こういった意見を口に出しやすい。

 回避するにはホワイトボードに「最初の30分は否定意見、厳禁」と書いたりするなど、全員一致のルールを確認しよう。

 後はブレーンストーミング(ブレスト)の「3大ルール」を理解してもらい、徹底させることが重要だ。次に紹介するのが、「3大ルール」である。

【ブレストのルール1 否定しない】

 殺人、強盗など法に触れること以外は、「No」と言わない。そして、とにかく発言をポジティブに変換することだ。

「◯◯◯がしたい、やりたい」
「◯◯ができたら嬉しい、楽しい」

 普段、こんなことを言うと職場では叱られるかもしれない。だから職場ではユニークな発想が生まれないのだ。

 一方でポジティブな言葉のエネルギーはすごい。すべてを肯定的に捉えよう。

【ブレストのルール2 どんどん言う】

 大切なのは、発言の「質」より「量」だ。

 重くキレのある1つの発言よりも、軽くてもいいので100個の意見の方がいい。

【ブレストのルール3 相手に乗っかる】

 新しい発想は有機的に結びついてこそ拡大する。だから他人が出した意見には積極的に乗っかって、パクってしまおう。他人の意見には、SNSのように「いいね!」を連発して共鳴しよう。

 そこに、さらなる意見を乗せれば、その人も悪い気がしない。