女性の誰もがファースト・ペンギンになれる

会場の女性たちに熱いメッセージを送る小池さん
会場の女性たちに熱いメッセージを送る小池さん

 肩肘を張ったり、格好つけたりすることが好きではないと言い、実はダジャレが好きで「おやじギャグを言って職員をズッコケさせることも。関西育ちですので」とのコメントで会場を笑わせるシーンも。

 「ストレスを溜めない、ポジティブに生きる。これが一番の健康法です。私は還暦も過ぎているので体調も気を付けないといけないとは思っていますが、行き着くところまで行ってやろう、という気持ちがあるんです。もし、道端で倒れることがあったら『小池さん頑張ったじゃない』と、一言でも言ってもらえればそれで結構です」

 都知事選では、「崖から飛び降りる覚悟」と決意表明し、退路を断って選挙に臨む姿が印象的でしたが、あえてリスクを選ぶ時に心の中では何を思っているのでしょうか。小池さんは、次のように話してくれました。

 「リスクテイクは、チャンスでもある。だから、私はできない理由よりもできる理由を考えて、『えいやっ!』と飛び込むんです。たとえ失敗しても、自らの糧になる。一度の人生ですから、本当にやりたいことなら諦めずに、リスクを軽減したり、プラスに変える努力を最大限にすることが大事ではないかと思います」

 最後に、初の女性経済キャスター、初の女性防衛大臣、初の女性都知事と、数々の「初」とつく立場で奮闘してきた小池さんが、会場のワーキングウーマンの皆さんに向けて熱く語りかけます。

 「リスクを恐れず、群れから抜け出て真っ先に海に飛び込むペンギンのことを、『ファースト・ペンギン』と呼びますが、私は皆さんにもぜひ、ファースト・ペンギンになっていただきたいと思っています。私が言うのもなんですが、飛び込んでみたら意外と大したことないですから。この東京を、そして日本を、女性のパワーで変えていきましょう」

 リーダーとして奮闘する女性たち、そしてすべての働く女性たちにとって、たくさんの勇気を与えるメッセージを発信した小池さんの基調トークショーは、盛大な拍手で幕を閉じました。

文/金澤英恵 写真/竹井俊晴