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今こそ就活を振り返ろう 朝井リョウ『何者』

2016年9月26日

就活の「以前」と「以後」を重ね合わせる

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落ちこんでいるときに元気がもらえたり、新しい視点が得られたり……ときには、人生が変わるほどの大きな力を持つ「本」。広告代理店のクリエイティブプロデューサーとして数多くの「人の心を動かす言葉」を生み出してきたひきたよしあきさんによるあなたを変える「魔法の本棚」連載では、読むたびに自分の個性や知性が磨かれ、人生が前向きに変わっていくことを実感できる“特別な1冊”を厳選して紹介していきます。

たいしたものではない自分を、たいしたもののように見せる

『何者』(朝井リョウ 新潮文庫)

 「就活がつらいものだと言われる理由は、二つあるように思う。一つはもちろん試験に落ち続けること。単純に誰かから拒絶される体験を何度も繰り返すというのは、つらい。そしてもう一つは、そんなに大したものではない自分を、大したもののように話続けなくてはならないことだ」

 企業人でありながら大学の教壇に立ち続けて15年になる私。思えばその間、学生たちに対し、「大したもののように話す術」を教えて続けてきたようなものでした。

 「自分の短所を長所に見せろ」「生地の自分などいらない。自分を商品化せよ」
 「こいつと一緒に働きたいなという空気を醸し出せ」

 私に限らず「就活」を前にした学生たちに対して、大人はこういうセリフを言いがちです。これまで「自分らしく」生きようとしてきた学生ほど、就活の時にはオロオロする。「大したものではない自分を、大したもののようにみせる」ことを学びながら、「何かこれはおかしいぞ」と感じるものです。

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Profile
ひきたよしあき
ひきたよしあき
博報堂クリエイティブプロデューサー。早稲田大学卒業後、博報堂に入社。クリエイティブ局で、CMプランナー、クリエイティブ・ディレクターを経て現職。明治大学で教鞭をとるかたわら、朝日小学生新聞にコラムを連載。年間約1000本のコラムをfacebookに投稿し、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている。著書に、「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ言葉の玩具箱」(京都書房)。facebook:www.facebook.com/yohikita
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