悪口を永遠に書き続ける人は、強い劣等感があるから

 こうした言葉の不確実性からくるトラブルは、LINEでもよく見られます。

 「ここだけの話」が、ちっともここだけの話になっていないケース。よくよく読んでみると、ただ「自分をよく見せたい」だけの話だったりします。人の悪口を永遠に書き続ける人は、実は強い劣等感を持っていて、人を貶めて優位に立とうという気持が強い人だと透けて見えます。

 「言葉は、相手の取りたいように取られてしまうもの」そして「自分も、言葉とは別の意図があって、その言葉を用いることがある」と知っておくことが大切だと春香さんは主張します。相手の言葉ばかりか自分の発する言葉さえ、杓子定規の意味にとらえず、お互いの言葉を憶測し合いながら、会話を重ねていると知ることが、重要なんですね。

 「許す」「できない」「だって仕方がない」「やる気が出ない」「頑張る」などこの本に挙げられた33の言葉の奥にある本音や人の本性の一端を知るだけで、人間関係がかなり楽になります。近すぎず、遠すぎず、どんな人とも気持のよい距離感で付き合う武器を得ることができるのです。

 ちなみに私は、しょっちゅう自分に「頑張る!」だの「頑張ろう」と声をかけています。春香葉子さんによれば、自分に向けた「がんばる」は、「結果を大目に見てほしい」という心理が働く言葉だとか……。

 あまりにも図星すぎて、心を傷つけられました。

文/ひきたよしあき

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